研究課題/領域番号 |
21K03769
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
増田 健一 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (40548153)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 薄肉部材 / 極限荷重 / 有限要素法 / 塑性座屈 / 有効幅 |
研究開始時の研究の概要 |
高引張強さ,高加工硬化特性および高伸び率を有する板材を用いた薄肉構造物は,塑性座屈時の荷重がその構造物の極限荷重に対応せず,塑性座屈後も荷重が増加する場合が存在する.本研究では,申請者がこれまで検討してきた弾性座屈後の極限荷重評価法を拡張することで圧縮や曲げを受ける薄肉部材の塑性座屈後の極限荷重の評価法を確立することを目的とする.
|
研究実績の概要 |
閉断面の代表として四角筒,開断面の代表としてH型断面の梁とコの字梁を採用し,極限荷重を検討するにあたり,荷重条件としてi)曲げのみ,ii)圧縮と曲げの複合荷重条件下を採用した.これらの条件の下でFEM解析を実施し,「内面方向への変形による崩壊」が生じる臨界ひずみが種々の加工硬化特性の基で板厚比の関数として表現可能であるかを検討し,閉断面である四角筒では表現可能,開断面では基本的に「面内方向への変形による崩壊」が生じないことを明らかにした. また,塑性座屈応力・塑性座屈後の有効幅に関しても上記断面・荷重条件を採用し,種々の加工硬化特性の基でのデータ収集を行った.その結果,軸圧縮以外の荷重条件においても閉断面の四角筒の場合,高引張強さ,高加工硬化特性および高伸び率を有する場合は塑性座屈後も荷重は上昇し,極限荷重が塑性座屈荷重と一致しない現象が生じることを明らかにした. 塑性座屈が生じるような板厚においては初期不整の影響などは無視されることも多いが,初期不整の影響なども含めて定量的な検討も行い,開断面の場合は初期不整による影響が大きいことも明らかにした.次年度(最終年度)は種々の形状における崩壊特性,初期不整と繰り返し負荷による強度低下も考慮した薄肉部材が有する塑性座屈後の極限荷重メカニズムの解明を行う.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度,一枚の板で種々の境界条件で検討を行い,今年度は閉断面の四角筒と開断面のH型梁とコの字梁で検討を行い,その対応関係から種々の形状における薄肉部材が有する塑性座屈後の極限荷重メカニズムの解明を模索可能な条件が揃いつつあると認識しているため,おおむね順調に進展していると考える.また,初期不整についても定量的な検討も行い,開断面の場合は初期不整による影響が大きいことも明らかにした.これは初期不整や繰り返し負荷による強度低下も考慮した極限荷重の把握に役立つと考える.
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた知見,つまり1年目に行った一枚の板での種々の荷重条件・境界条件で得られた極限荷重と2年目に行った閉断面・開断面での種々の荷重条件で得られた極限荷重の結果を用い,種々の形状・種々の荷重条件・種々の材料特性における塑性座屈後の極限荷重メカニズムの解明を行う. また,初期不整による影響に関する知見も得られたことから,今年度は初期不整や繰り返し負荷による強度低下も考慮した極限荷重の解明も試みる.
|