研究課題/領域番号 |
21K03774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
石原 正行 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (60283339)
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研究分担者 |
亀尾 佳貴 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60611431)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | D∞対称性 / 湿熱電気弾性理論 / 生分解性ポリマー / ポリ乳酸 / 湿熱電気弾性場 |
研究開始時の研究の概要 |
特異な異方性(D∞対称性)を持つ圧電材料(PLLA(ポリL乳酸))からなる屈曲・ねじれ動作を兼ね備える知的構造物に対して,使用環境を考慮した合理的な設計手法の確立を目指して,材料の異方性を考慮した湿熱電気弾性基礎理論を構築し,構造物内の湿熱電気弾性場を解明する.具体的には,種々の形状・負荷条件に対する具体的な3次元湿熱電気弾性場を明らかにし,湿熱場の悪影響を補正するための方策を検討する.
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研究実績の概要 |
本研究は,特異な異方性(D∞対称性)を持つ圧電材料(PLA(ポリ乳酸))からなる屈曲・ねじれ動作を兼ね備える知的構造物に対して,使用環境を考慮した合理的な設計手法の確立を目指して,材料の異方性を考慮した湿熱電気弾性基礎理論を構築し,構造物内の湿熱電気弾性場を解明することを目的としている.本年度は以下の成果を得た. 計画初期段階に導出した温度項・湿度項の影響を考慮した構成方程式およびポテンシャル関数による3次元湿熱電気弾性場解析手法に基づいて,温度・湿度それぞれの影響を考慮した帯板状・円柱状の物体における非定常湿熱電気弾性場諸量(温度・湿度・変位・ひずみ・応力・電位・電場・電気変位)を理論的に明らかにしたうえで,数値計算により,その分布および時間変化を詳細に調査し,材料のもつ特異な異方性が非定常湿熱電気弾性場分布におよぼす影響を明らかにした.特に,力学的入力を電気信号により検知するセンサに対して,せん断応力負荷を受けて表面で電気変位が発生する円柱状理論モデルに対して,上記解析手法に加えて各種積分変換法を適用することにより非定常湿熱電気弾性場諸量の厳密解を得るとともに数値計算を実施し,時々刻々と変化する湿熱環境が電気信号に与える誤差を定量的に評価し,湿熱環境を軽視することが重大な結果をもたらすことを明らかにするとともに,湿熱環境の影響を極力排除するためのセンサの検知場所・タイミングについて詳細に検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に予定していた「センサ・アクチュエータ機能を想定した円筒構造物において使用環境による悪影響を補正する方策の検討」について実施し,湿熱環境の悪影響を極力排除するためのセンサの検知場所・タイミングについての詳細検討に至った点についてはおおむね順調に進展していると判断した.しかしながら,圧電性を利用したアクチュエータ機能によって湿熱環境の悪影響をフィードバック補正することが実用上困難であることが分かり,方針転換を迫られることとなった.これらの事情を総合して「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
圧電性を利用したアクチュエータ機能によって湿熱環境の悪影響をフィードバック補正することが実用上困難であることが分かったため,以後は,湿熱環境の悪影響を可能な限り事前に排除する方策を検討することが重要であるとの判断に至った.そのため,多種多様な構造物形状あるいは環境条件下に対する個別の方策を積み重ねるという方針で研究を推進する.
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