研究課題/領域番号 |
21K03777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松尾 卓摩 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80406834)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アコースティックエミッション / 大気腐食 / 腐食減肉 / 非破壊検査 / 腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、材料の非破壊検査手法の一つであるアコースティックエミッション(AE)法を用いて鋼板及び鋼管の腐食減肉量を定量評価する手法について検討する。腐食した板や管に熱を加えて熱応力によって腐食性生物(錆)を機械的破壊させ、発生したAE波の伝搬モードごとの強度比からAE発生位置の腐食量を推定する。また、腐食進展量と発生するAEのモードごとの強度比のばらつきを評価することで、腐食深さ評価の推定精度について評価することを本研究の目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、材料の非破壊検査手法の一つであるアコースティックエミッション(AE)法を用いて鋼板及び鋼管の腐食減肉量を定量評価する手法について検討する。腐食した板や管に熱を加えて熱応力によって腐食性生物(錆)を機械的破壊させ、発生したAE波の伝搬モードごとの強度比からAE発生位置の腐食量を推定する手法の開発を目的とする。 腐食減肉量の定量評価を行うためのAE計測手法について検討を行い,A.長期モニタリング,B.試験片を加熱して錆の割れを誘発,C.試験片を冷却して錆の割れを誘発の3通りの手法による結果を比較した.長期モニタリングと加熱の結果では多少の差異は見られたが,同様の評価を行うことができることが確認できた.一方,冷却の場合では精度が低下し,冷却方法について検討する必要がある事がわかった.また,発生するAE波形のモードについては,損傷に起因する以外のAE信号の影響を強く受けることから単純なAE信号の発生メカニズムと損傷を関連付けることが難しいことがわかり,腐食部からAEがどのようなメカニズムで発生するかについてさらに詳細に検討する必要がある事がわかった. また,薄い鋼板を用いた長期モニタリングによって機械加工を行わずに短い実験スパンで腐食開始から減肉進展する様子をガイド波で評価する手法について検討した結果,厚さ0.1mm未満の試験片を用いた場合,1年以内に腐食によって板を貫通させることができた.また,腐食試験中にAE計測を行い,検出AE波のモード比によって腐食減肉量の変化を評価することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では大きく4つの項目について実施予定である。そのうち,距離減衰と腐食減肉量の評価精度改善についてはおおむね終了した.長期腐食試験における腐食減肉量評価と,熱サイクル試験時の加熱量とAE発生頻度の関連及び熱サイクル付与時のはく離の破壊モードについてはほぼ計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
長期腐食試験については,継続して試験を行い,結果の妥当性及び再現性を確認する.熱サイクル試験についてはAEの発生メカニズムについてより詳細に調査する予定である.また,AE解析方法については,機械学習等を用いてより詳細に評価できる方法を検討する.
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