研究課題/領域番号 |
21K03778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
清水 憲一 名城大学, 理工学部, 教授 (50294434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 短繊維GFRP / 高輝度放射光 / 結晶化度 / マイクロメカニックス / 疲労寿命 / 繊維配向 / X線応力測定 / 引張強さ / 疲労特性 / アニーリング / 繊維方向 / 短繊維強化樹脂材料 / X線 |
研究開始時の研究の概要 |
結晶性樹脂であるPPSにガラス短繊維を充填して強化した複合材料の疲労寿命評価法を確立するために,高輝度放射光によるX線測定を行いながら疲労試験を行う.マイクロメカニックスとFEMを組み合わせた解析によって,繊維配向分布を考慮したひずみ解析手法を開発し,X線測定結果と比較することで,その妥当性を検証する.また,X線回折プロファイルからPPS樹脂の結晶化度を評価し,弾性率や引張強度など静的な機械的特性との相関について検討する.さらに,疲労試験に伴う結晶化度の変化を測定し,ひずみや結晶化度などのミクロ組織が疲労特性に及ぼす影響を明らかにする.
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研究成果の概要 |
PPSをガラス短繊維で強化したGFRPの射出成形平板から,繊維が射出方向に配向した表面層のみの試験片を作成し,引張負荷に伴う母相応力の変化をX線測定で計測した.その結果,ガラス転移温度以上の温度でアニーリングを行うと,PPS相のX線回折プロファイルピーク強度が上昇し,結晶化度の向上が示唆された.これによってPPSの剛性が向上し,複合材料の射出方向および直交方向いずれのヤング率も向上した.また,繊維配向のばらつきを考慮したマイクロメカニックスによって求めた応力分配係数の解析値は,X線測定で得られた実験値に近い値を示し,応力分配係数が正しく評価できることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
短繊維GFRPの引張試験を行った結果,繊維が負荷方向と平行に配向した材料の方が,直交方向に配向した材料よりも高い引張強さを示した.しかし,マイクロメカニックスを用いて樹脂相応力で比較した結果,両者の破断時の応力は等しいことがわかった.疲労試験でも同様の結果が得られたが,樹脂相応力で比較すると,両者はほぼ同じ寿命を示すことがわかった.これらの結果から,短繊維GFRPの静的強度・疲労強度は樹脂相応力に支配される可能性が示され,高輝度放射光を用いれば,1mm四方以下の微小領域の樹脂相応力を測定出来るので,複雑な形状および繊維配向を有する実際の製品の寿命予測が出来ることを示した.
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