研究課題/領域番号 |
21K03789
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
白鳥 智美 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (80607755)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | せん断加工 / アモルファス電磁鋼板 / ナノ周期構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はアモルファス電磁鋼板の多層積層せん断加工における、ダイヤモンド工具へのナノ周期構造付与が、せん断した穴の表面のき裂および変形を抑制するメカニズムの解明に取り組む。ナノ周期構造の有無や工具先端R、工具先端形状の均質性をパラメータとし、せん断進展過程における、被加工材表面のき裂や変形の発生状況の違いを定量化して現象解明を図り、アモルファス電磁鋼板の破壊進展に与えるナノ周期構造の働きを解明する。
|
研究実績の概要 |
超硬工具にダイヤモンドをコーティングした工具を製作した。2021年度に抽出したナノメートル周期構造をレーザ加工によって丸パンチに付与する条件を用いて、ダイヤモンドコーティング部分にナノメートル周期構造を付与した。この結果、超硬工具への加工と異なり、ダイヤモンドコーティング部へのナノメートル周期構造付与では、ナノ周期構造が規則的にあらわれず、電子顕微鏡での観察も難しく、溝深さが超硬で200 nm~300 nmであったものが100 nm~200 nmと浅く形成されていた。ダイヤモンドをコーティングしてナノメートル周期構造を付与した工具について、5枚のアモルファス電磁鋼板のせん断加工を行う準備を整えた。切り口面の性状確認、穴径変化、穴だれ部に生じるだれやしわ、亀裂の加工影響について討議し、破壊進展のメカニズムを予測した。 5枚の積層せん断を穴の表面にき裂を生じずに加工を行うために、シミュレーションによる応力解析をおこなった。1枚抜きと5枚抜きにおいて主応力分布を解析から把握した。この結果、アモルファス電磁鋼板にパンチが接触してからせん断を開始するまでにパンチの外側となる穴側の材料表面にアモルファス電磁鋼板の引張強さ2.1 GPaを超える主応力が加わることが明らかとなった。この解析結果は2021年度の5枚せん断加工時の結果と対応しており、今後の破壊進展過程を考察する際に役立つシミュレーション技術を構築することができた。 2022年度にはアモルファス電磁鋼板のせん断加工について5社からの相談を受けた。アモルファス電磁鋼板を採用するモータの実現が喫緊の課題であることを共有し、本研究がモータの実用化を支える基盤技術となっていくことを確認した。引き続いて本研究で最適加工条件の抽出やメカニズム解明を計り、ユーザ企業とも情報交換を進め、早急な実用化につなげていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノテクスチャ工具のレーザ加工条件の抽出を進めた。この結果、超硬工具とダイヤモンド工具についてナノテクスチャの付与に成功している。また、加工実現と現象解明に向けてシミュレーションを活用した現象理解を進めた。これにより応力部分の大まかな状況を把握している。順調に計画を遂行している。
|
今後の研究の推進方策 |
科研費を申請して研究内容の実用化に向けた研究を推進していく予定である。
|