研究課題/領域番号 |
21K03790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古本 達明 金沢大学, 設計製造技術研究所, 教授 (60432134)
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研究分担者 |
阿部 諭 金沢大学, 設計製造技術研究所, 研究協力員 (30882584)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粉末床溶融結合法 / 金属粉末 / 高速度カメラ / プラズマ / スパッタ / 再利用粉末 / 温度測定 / ヒューム / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
金属粉末を用いた付加製造法である粉末床溶融結合法では,レーザ照射部から発生するスパッタ・ヒュームが造形不具合を誘発する主要な因子であり,品質を保証した造形物の製作を妨げる要因となっている.そこで,造形物の品質保証技術確立に向け,造形最小単位である粉末の溶融・凝固様相を明らかにし,プロセス不安定化の主要因であるスパッタ・ヒュームの発生機構を解明する.そのために,高速度カメラによるレーザ照射部の可視化と温度分布測定,照射部周辺の気流解析,造形環境因子による造形特性の変化を調べる,そして,各因子の影響を明らかにしてプロセス安定化をもたらす造形条件設定指針を構築する.
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研究実績の概要 |
粉末床溶融結合法を対象とし,各種カメラによる可視化実験を通して環境中の酸素濃度やチャンバ内部のガス流れ,粉末の表面様相や粒度分布が溶融池周辺で生じる粉末の溶融・凝固に及ぼす影響を調べた.また,得られた結果に基づいて試験片を製作し,引張強度試験,顕微鏡観察,X線分析,CT分析を行って造形不具合を誘発する因子を調べ,プロセス安定化をもたらす造形条件の設定指針構築に向けて取り組んだ.その結果,(1)チャンバ内部の酸素濃度は造形物の機械的特性に影響する主因子であり,低酸素濃度下で造形することで機械的特性に優れた造形物が得られること,(2)環境中の酸素は溶融池から発生するヒューム発生量に影響する因子であり,粉末種類によってヒューム発生量が最小化できる酸素濃度条件があること,(3)環境中の酸素は溶融池周辺の粉末酸化を促進するため,粉末リサイクルの観点からも低酸素濃度下での造形が望ましいこと,(4)X線分析によってコールドスパッタとホットスパッタが区別でき,ホットスパッタは飛散後の冷却時に酸化が促進されること,(5)チャンバ内部のガス流れは溶融池から飛散するスパッタ挙動に寄与し,ガス流れと対向するようにレーザ走査することで表面性状に優れた造形物が得られること,(6)粉末の流動性は粉末形態だけでなく表面性状の影響を受け,表面が滑らかな粉末間の摩擦力が小さくなることで流動性が向上すること,(7)粉末の比電荷は凝集性に影響する因子であり,比電荷が大きくなるにつれて凝集力が増加することで流動性が低下すること,(8)粉末に付着した水分は比電荷を低減させる作用があり,適度な水分の付着が間接的に電気的な凝集力を減少させて流動性が改善できる可能性があること,(9)マルエージング鋼の造形では内部に析出物が形成され,析出物が疲労特性を低減する因子となる可能性があることを見いだした. を見いだした.
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