研究課題/領域番号 |
21K03795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
寺野 元規 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90708554)
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研究分担者 |
竹村 明洋 岡山理科大学, 工学部, 講師 (50611878)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | バニシング加工 / 結晶組織制御 / 傾斜機能材料 / 材料加工 / 生産工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,塑性ひずみと熱処理による局所的な静的再結晶を利用した傾斜機能材料の開発を目指す.素材表面にバニシング加工により塑性ひずみを加えることにより,転位を部分的に導入する.その後,熱処理することにより,転位導入部(素材表面)が優先的に静的再結晶する.バニシング加工量(塑性ひずみ量,転位導入量),熱処理温度,熱処理時間が静的再結晶組織に及ぼす影響を明らかにできれば,局所的に結晶組織を制御することが可能となる.以上により,傾斜機能材料の作製が可能となる.
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研究実績の概要 |
バニシング加工により,【1】局所的な結晶粒微細化および【2】局所的な合金化について,CAE解析・各種実験を実施し,傾斜機能材料の開発を目指した. 【1】局所的な結晶粒微細化では,熱処理のよる静的再結晶実験を実施し,複数回バニシング加工した際のCAE解析を実施した.また,バニシング加工前後,および,熱処理(静的再結晶)前後の試験片に対し引張試験を実施し,引張強度変化を調べた.バニシング加工条件(140N・10回)および熱処理条件(600℃・5分・アルゴン雰囲気)はCAE解析および昨年度までの実験結果を踏まえて決定した.引張試験の結果,バニシング加工による降伏応力の上昇が認めらた.その上昇量はCAE解析結果(相当応力分布)より推定した理論値とおおむね一致した.また,熱処理により,静的再結晶を誘起し,結晶粒を微細化することにより,さらなる降伏応力の上昇および引張強さの上昇を確認した. 【2】局所的な合金化では,昨年度設計・製作した加熱板(室温~700℃)を用いて,追加の実験(200℃・2.3 kN,400℃・1.5 kN,400℃・3.4 kN,550℃・2.3 kN)を行った.その後,FE-SEMを用いてEDX分析を実施した.また,ビッカース硬さ試験も実施し,局所的合金化について調べた.昨年度までの結果も踏まえると, 400℃・3.4 kNおよび700℃・2.3 kNの加工条件において,合金化の可能性が高いと判断した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【1】局所的な結晶粒微細化について,当初の予定:2023年度研究実施計画に基づき,バニシング加工実験とCAE加工解析を行った.バニシング加工前後の引張試験により強度変化を調べ,CAE解析結果を用いて理論的に考察した.さらに,熱処理による静的再結晶実験(2024年度研究実施計画)も行い,引張試験を行った結果,結晶粒微細化によると思われる引張強度の上昇を確認した. 【2】局所的な合金化について,2.3kN:200℃,550℃および400℃:1.5 kN,3.4 kNの条件で追加実験を行い,加工温度および加工荷重による合金化の有無に及ぼす影響を検討した.
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今後の研究の推進方策 |
【1】局所的な結晶粒微細化について,熱処理による静的再結晶実験および引張試験を行い,バニシング加工と結晶粒微細化,強度変化の関係を調べる. 【2】局所的な合金化について,バニシング加工後に熱処理を行い,拡散を促進させることにより,合金化できないかを検討する.
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