研究課題/領域番号 |
21K03801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青柳 健大 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90636044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Additive Manufacturing / Al合金 / 材料組織 / 相変態 |
研究開始時の研究の概要 |
金属付加製造(金属用3Dプリンタ)は、複雑形状部材をコンピュータで設計した通りの形状で製造できるだけでなく、材料組織を制御することも可能である。このような特徴を有しているため、トポロジー最適化の活用による高比強度Al合金部材の更なる機能向上を目指し、金属付加製造による製造技術の確立に向けた研究が多く実施されている。 一方、材料組織を制御するためには、材料組織の形成を支配する因子を明らかにし、その因子を制御するための指針を確立しなくてはいけない。本研究では金属付加製造によるAl合金開発の指針を確立するために、金属付加製造特有の凝固現象と付加製造プロセス中に生じる組織変化挙動を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Al合金のPBF-EB造形プロセス実現に向けて、Al合金粉末のスモーク挙動の解析、Al合金造形条件の最適化による欠陥レス造形材の作製、ならびに欠陥レス造形材における材料組織の造形条件依存性評価、凝固後の組織変化挙動の解析を行った。冷却速度を増加させた場合、微細晶出物が集合した領域が積層方向に垂直な層状に形成されることを明らかにし、流速が小さいメルトプール底面近傍の固液共存領域において溶質濃化領域が形成され、そこを核生成サイトとして、過冷却が生じて微細晶出物が形成したと考察した。 また、造形ログデータから温度履歴を推定し、凝固後の組織変化挙動をその温度履歴で説明できることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、金属用3Dプリンタを用いてAl合金を造形する際に、形状だけでなく材料内部の組織を制御するための科学として重要性を持つ。例えば、急速凝固により、従来製法よりも過飽和にAlが固溶した晶出物が形成し、その後の時効で晶出物内部にAlが析出することを明らかにした。また、これまで実例のほぼない電子ビームを熱源に用いた金属用3Dプリンタで種々のAl合金を造形でき、レーザを熱源に用いた金属用3Dプリンタとは異なった組織を有し、造形時の温度履歴からその組織を推定できることを見出した。電子ビーム3DプリンタによるAl合金部材の製造のための基礎的知見として、実用及び社会的にもその意義は大きい。
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