研究課題/領域番号 |
21K03803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
前野 智美 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80505397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 電気塑性効果 / 変形抵抗 / せん断応力 / ねじり / アルミニウム / チタン / 水冷 / 電気塑性 / ねじり変形 / 加工硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
金属材料に電流を印加した状態で塑性変形を加えると,変形抵抗が減少し,延性が向上する電気塑性効果が報告されている.しかしながら,引張変形などにおいては,断面積減少による電流密度の集中が生じ,ジュール発熱による影響を分離して検討するのが難しい.本研究では,丸棒試験片にねじり変形を与え,断面減少が生じない条件で電気塑性効果を検証する.電流印加条件が変形抵抗と延性に及ぼす影響について調査し,また,機械的特性や微細組織の変化から電気塑性効果の生じるメカニズムについて調査する.
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研究実績の概要 |
令和4年度前半は研究計画に基づき,通電条件および素材の初期条件を変えたねじり試験をアルミニウム(Al)丸棒において実施した.長手方向に電流を印可した場合は,いずれにおいても電流印可による変形抵抗の低下などは確認されなかった.そこで,年度後半は当初計画から少し方針を変更し,電気塑性効果が生じる通電条件を検討する実験を行った. ねじりでは変形の進行とともに塑性変形が半径方向に沿うようになる.そこで半径方向に電流を印可する試験を実施した.半径方向に電極を接触させて電流印可を実施した場合,印可なしに対して5%程度の変形抵抗の低下が確認された.また,電流印可を途中停止,途中印可した場合,その挙動は反転して重なった.半径方向の電流印可では電気塑性効果が生じる可能性が示された. 丸棒では冷却側の温度しか測定できていなく,高温側となる内部温度が不明であった.そこでパイプ試験片を採用し内部を水冷し,非冷却側の外側温度を測定して高温側の温度を確認しながらねじり試験を実施した.パイプに外側の温度上昇は5℃以下であり,構築された実験系の冷却性能が十分であることが示された.また,Al丸棒と同様に棒材の長手方向に電流を流した場合,電流印可による変形抵抗の低下は確認されなかった. 一方,比較的大きな変形抵抗の低下が報告されているチタン材についても検討をした.Ti材はジュール発熱が大きくなるため,試験片サイズを小さくして冷却性を高めた.温度上昇は接触温度計において60℃程度であった.Ti材のねじり試験では30~40%の変形抵抗の低下が見られた.しかしながら,スポット溶接した熱電対で温度を再度確認したところ,260℃程度の大きな温度上昇が確認された.また,温度上昇と変形抵抗低下の挙動が同じであったことから,Tiにおける変形抵抗の低下はジュール発熱による軟化であるということがほぼ示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では電気塑性効果と印可電流の関係やそのメカニズムを調査する計画となっていた.しかしながら,温度管理をした場合に電気塑性効果見られないという結果が強く示される進捗となっている.そのため,電気の印可方向や材料条件が電気塑性効果の発生有無に及ぼす影響調査に重点を置いた検証研究にシフトしている.他で報告されている結果とは大きく異なる結果となっており,研究成果は大きい進捗となっている.当初計画とは異なるがその進捗に顕著な遅れは見られない.
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今後の研究の推進方策 |
Al丸棒の半径方向に電流を印可した条件において変形抵抗の低下が確認されたため,この条件において印可する電流と変形抵抗の変化の関係を明らかにする.またパイプ試験片においても半径方向の電流印可を行い,その実験温度を確認する.また変形後の試験片の硬さや結晶方位などを調査し,塑性変形の挙動に変化があるかを検討する.また,最終年度であるため,これまでの検討結果をまとめ,対外的に発表報告を実施する.
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