研究課題/領域番号 |
21K03812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
研究代表者 |
青木 繁 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 名誉教授 (20106610)
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研究分担者 |
酒井 康徳 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (70774769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超音波振動 / 振動応用技術 / 押付力 / 塑性変形 / 機械加工 / 超音波 / 摩擦攪拌 / 塑性流動 / 成形技術 / 複雑形状成型 / 表面機能制御 / 塑性加工 / マルチマテリアル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,既存のISFと比較して亀裂が生じにくく,成形と同時に表面機能も制御可能な新原理ISF技術「超音波加熱型ISF(Ultrasonic Heating-ISF)」を開発し,高精度かつ高付加価値なマイクロ部品成形を実現することを目的としている.この目的を達成するために 令和3年度には超音波加熱条件下での塑性流動特性の解明と加工シミュレーション、令和4年度にはU H - I S F 加工機の試作と加工条件の理論的な決定方法を構築、令和5年度には UH- I S F による表面機能制御やマルチマテリアル加工への応用について研究を進める.
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研究実績の概要 |
近年、フレキシブルかつ変種変量生産に対応可能な,薄肉で複雑形状を有する微細部品の製造技術が要求されている.これを満たすため,軟化させたシート状材料に工具を押し当てて逐次成型するインクリメンタルシート成形(ISF)が,金型を必要としない手法として期待されている.一方で,既存のISFでは,加工原理に起因する亀裂の発生や精度の低さが指摘されており,高精度な複雑形状成形を実現する上で重大な課題である.本研究では,亀裂が生じにくく,成形と同時に表面機能も制御可能な新原理ISF技術「超音波加熱型ISF(Ultrasonic Heating-ISF)」を開発し,高精度かつ高付加価値なマイクロ部品成形を実現することを目的としている。そこで、インクリメンタルシート成型法に応用するための基礎データを得るために、押付力を与えて突起のある工具を試験片に押し当て、圧痕の深さを測定した。また、工具の送り速度と圧痕の深さについても検討した。このことによって、超音波振動を利用する有効性を確認した。さらに、これまでに取得した実験データを見直した。まず、工具を押付けながら超音波振動を加えることによって圧縮力が低減される現象がブラハ効果によるものと考え、圧縮力の低減量を表す理論式について検討した。さらに、超音波振動を加えることによって断続的に工具が試験片に当たることによるハンマリング効果によって効率的に加工をするための条件についても検討した。これらの結果を総合してインクリメンタルシート成型法に超音波振動を用いる効果を示すための理論解析に対する見通しを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験に想定以上の時間がかかり、当初の計画よりやや遅れている。しかしながら、突起のある工具を押付ける実験によって、圧痕の深さから超音波振動を利用する利点を確認することができた。また、これまでに得られた実験結果を見直すことによって、工具を押付ける際の圧縮力の低減や断続的に加工力が作用する際の加工効率の向上などの超音波振動の効果を理論的に表すことができる可能性を示した。これらの結果を総合して本研究の目的を達成する見通しが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
突起のある工具を押付ける実験によって、超音波振動を用いると圧痕の加工が促進されることが明らかになった。また、これまでの実験データを見直すことによって、超音波振動を用いると、断続的に加工することによって加工効率がよくなることを明らかにすることができた。さらに、超音波振動を利用した加工で見られるブラハ効果についても理論解析の可能性を示した。これらの成果を総合して、超音波振動をインクリメンタルシート成型法に応用した場合の効果について、主に理論解析によって明らかにし、本研究の目的を達成する。
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