研究課題/領域番号 |
21K03816
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
山口 篤 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 上席研究員 (90470244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放電加工 / つり下げ電極 / 曲がり穴 / 屈折穴 / 屈曲穴 / 深穴 / タンデムガイド |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは,独自に考案した柔軟構造の電極(つり下げ電極)を用いた曲がり穴放電加工法の開発を進めている.これまでの研究を通じて,「シンプルな方法で曲がり穴が加工できる」「一般的な剛性電極よりも加工速度が速い」「電極が揺れながら安定した加工が可能で,従来の放電加工と現象と異なる」ことを明らかにしている.本加工法は学術的・産業的の両面で高いポテンシャルを有しているが,柔軟構造の電極を用いた放電加工は前例がなく,解明すべき課題を多く有している.本研究では,放電加工特性や加工現象の解明を通じて,深穴にも対応でき,高い形状精度を有する曲がり穴加工法の確立を行う.
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研究実績の概要 |
申請者らは,電極球と銅箔で構成される「つり下げ電極」を用いた曲がり穴放電加工法の開発を進めている.これまでに,工作物を傾斜させて電極球を重力方向へ進めることで曲がり穴が加工できることを明らかにしたものの,得られる曲がり穴の形状精度は課題を有していた.具体的には,つり下げ電極は振り子のような挙動を示すため,工作物の傾斜角度よりも大きく曲がりすぎる現象(オーバーカーブ現象)が生じ,設計形状と誤差が生じていた.そこで,この振り子現象を抑制するために,銅箔を誘導するための2種類のガイドを使用する曲がり穴加工法を考案し,実現可能性の検討を行った. 一つ目は,屈折穴を正確に加工するための「固定箔支持ガイド」であり,本報では詳細を省略する. 二つ目は,屈曲穴を加工する方法として,銅箔に固定するタイプの「タンデムガイド」を使用する方法である.これは,銅箔に取り付けるタイプのガイドで,電極球と一定の距離を保ったまま加工を進める.タンデムガイドは,振り子現象の影響を低減することができるともに,電極の位置を正確に予測することができる.しかし,タンデムガイドは電極に追随して移動するため,加工の安定性や曲がり穴形状に影響を及ぼす可能性があった.そこで,曲がり穴内部をスムーズに移動するタンデムガイドの形状検討を行った.その結果,銅箔のたわみ,加工状態,気泡の排出等を阻害しない形状が得られ,緩やかに屈曲する曲がり穴(屈曲穴)の加工に成功した. 並行して,深穴加工への応用可能性の検討を行った.直線穴加工において,銅箔長さ・加工深さと加工可否(加工特性)の関係を調べた.その結果,電極長さ(銅箔長さ)が600mmのつり下げ電極を用いて,深さ500mmの深穴が加工可能であった.タンデムガイド付きであっても,加工粉と気泡を自発的に排出し,安定した加工状態が得られることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3(2021)年に加工実験に取組めない期間があり,それ以後も研究計画に遅延が続いている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討を通じて,2種類の箔ガイド(固定箔支持ガイドとタンデムガイド)を用いることで,屈折および屈曲穴形状が加工できることを示した.そのうち,緩やかに加工方向が変化する屈曲穴は,曲率・最終角度・狙い位置などの設計要素が多く,種々形状を正確に加工するには検討すべき課題を多く有していることが明確になった.この課題に対応できれば,曲がり穴の途中で曲率が変化する形状や,屈曲から直線へ移行する形状など,多様な屈曲形状に展開できる. 今後は,主としてタンデムガイドを用いた屈曲穴加工について,つり下げ電極の振り子現象,特に電極球の加工方向を支配する因子の考察を行う.併せて,振り子現象を考慮した電極軌道の計算(予測)や,工作物傾斜方法の最適化検討を進める.
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