研究課題/領域番号 |
21K03824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
平 俊男 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (60280426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 力学的感性 / 深層学習 / 力の流れ / 力学的表情 |
研究開始時の研究の概要 |
デザインにおいて,対象物を力学的に把握する直感的能力を力学的感性と呼ぶことが提唱されている.力学的感性の存在や重要性は,機能美の概念やデザイン教育における「力の流れ」の強調からも明らかであるものの,それがどのような能力であるかについては属人性が強調された方法論的記述にとどまっている.本研究では,深層学習アプローチによって構造形態のどの部分に力学的特徴が表れ,その特徴がどのように把握されているのかを明らかにすることで,力学的感性の視覚化を図る.
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研究成果の概要 |
対象物の力学に関する直感的な判断力を力学的感性と呼び,この能力が構造合理性の実現にどのように活かされているのかを明らかにしようとする試みがある.ここでは,初学者が習得するレベルの直感的に力の流れを想起する能力を想定し,その能力を深層学習によって得られるネットワークで再現した.位相最適化形状を力の流れの表現ととらえ,様々な構造境界条件のもとで定まる形状を変分オートエンコーダで学習することで,これらの形状が低次元の潜在変数空間で再構成できることを示した.また,得られたネットワークはその内部に力学的モデルを持たないにもかかわらず,構造境界条件から形状への写像を表現していることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に,デザインという行為は設計者の審美眼的な感性的側面が強調される.その一方で機能美の概念のように,構造物にはその力学的な合理性が美しさとして表出するとの考え方も古くから論じられている.これらのことは,デザインにおける感性的側面と,力学的合理性のような客観的側面とが不可分であることを示している.本研究は,力学的感性の概念を手がかりに,その能力を深層学習によって再現することで,デザインに対して体系的なアプローチをしようとする試みの一部であり,得られた知見が人の創造的行為のさらなる理解につながるという意義を持つ.
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