研究課題/領域番号 |
21K03825
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
|
研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹島 敬志 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (10179632)
|
研究分担者 |
小崎 裕平 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (50819315)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 凍結濃縮 / 製氷実験 / 可視化 / 数値シミュレーション / 混合性能 / PIV解析 / 撹拌性能 / 可視化実験 |
研究開始時の研究の概要 |
液状食品に含有する成分の変質及び損失が極めて少ない濃縮操作である、凍結濃縮システムの製氷ユニット(製氷部、冷媒循環部、制御部等から構成)について設計手法を構築する。その製氷ユニットにおいて、安定してより多くの氷粒子を長時間連続製造するため、製氷部の撹拌性能が製氷能力に及ぼす影響に関する調査が求められている。 本研究では、製氷時における可視化実験と数値シミュレーションを併用して製氷器内の氷粒子の流動を調べ、撹拌に最適な掻き取り刃形状について検討し、その掻き取り刃を用いて製氷効率について調査を行い、氷粒子の固着がなく、また長時間高い製氷能力を有する製氷部の設計指針の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
液状食品に含有する成分の変質及び損失が極めて少ない濃縮操作である、凍結濃縮システムの製氷ユニット(製氷部、冷媒循環部、制御部等から構成)について設計手法を構築する。その製氷ユニットにおいて、安定してより多くの氷粒子を長時間連続製造するため、製氷部内の攪拌性能及び撹拌性能の向上が製氷能力に及ぼす影響に関する調査が求められている。 本研究では、安定製氷に重要な一様流動化に適する製氷部内の掻き取り刃の形状について、製氷時の流れ場の可視化と数値シミュレーションを併用して調査を行っている。 令和4年度は可視化実験装置を製氷ができる可視化実験装置へと改良し、刃の後端の形状が異なる3種類の掻き取り刃を用いて液の循環流量と掻き取り刃回転数を変えて可視化製氷実験を行った。水または濃度10°Brixのスクロース水溶液を用いて製氷時に生成された氷粒子をハイスピードマイクロスコープで可視化し、また製氷性能(熱通過率)を測定した。その結果、掻き取り刃の回転数が大きいほど製氷性能が高く、また生成された氷粒子の径は小さくなることを確認し、製氷器からの氷粒子の排出もスムーズであった。また刃の後端の形状が異なる掻き取り刃の製氷時の氷粒子の動きや製氷性能については今後詳細な実験を行い、検討していく。 製氷実験と並行して、氷粒子追跡の数値シミュレーションに必要な製氷器内の流れ場の非定常データを取得するため、製氷器内の液体のみの撹拌流れを対象に移動メッシュを用いた非定常解析を行い、その結果と先行研究で行われた定常解析の結果の比較を行った。非定常解析で得られた流れ場の状況は定常解析のものと概ね同様な状況であることが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
可視化実験装置から製氷ができる可視化実験装置への改良が完了し、生成された氷粒子の動きと製氷性能について、水と10°Brixのスクロース水溶液による可視化製氷実験を行った。令和4年度は同じ条件における可視化製氷実験を複数回実施できなかったため、結果の再現性の確認ができていない。特に刃の後端の形状が異なる掻き取り刃に関する実験について、十分な数のデータの取得ができなかったため、評価できなかった。 氷粒子追跡の数値シミュレーションについて、非定常解析による製氷器内の流れ場解析は完成したので、今後掻き取り刃の後端形状の違いによる解析及び氷粒子追跡の数値シミュレーションを行っていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
可視化製氷実験装置の可視化部を製氷器上部から撮影できるように改良し、製氷時に掻き取られた氷粒子の円周方向及び半径方向の挙動について観察できるようにする。 刃の後端形状が異なる3種類の掻き取り刃を用い、スクロース水溶液の濃度を変化させた製氷実験によって、撹拌性能が向上したことによる製氷効率への影響を、氷粒子の動き及び熱通過率から検討する。また数値シミュレーションの解析精度の確認用にPIVを用いて製氷部内の流れ場調査及びハイスピードマイクロスコープを用いて製氷時に掻き取られた氷粒子の挙動に関する調査を実施する。これらの調査結果をもとに、刃の後端形状が異なる3種類の掻き取り刃について、流れ場及び氷粒子の動きと製氷性能との関係から、製氷部内の攪拌が製氷の与える影響を解明し、安定してより多くの氷粒子を長時間連続製造の実現に向けた製氷部の設計指針を検討する。これと並行して数値シミュレーションの解析精度を確認し、また製氷部内の流れ場解析と氷粒子追跡による数値シミュレーションの製氷部設計への適用について検討を始める。
|