研究課題/領域番号 |
21K03826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
三木 隆生 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (80806753)
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研究分担者 |
山田 崇恭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30598222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | トポロジー最適化 / 構造最適化 / 最適設計 / 金属積層造形 / 金属3Dプリンタ / Additive Manufacturing / Design for AM / 有限要素法 / 金属3Dプリンタ / 熱変形 |
研究開始時の研究の概要 |
製品の性能向上を目指す方法としてトポロジー最適化に基づく構想設計法が注目されている.トポロジー最適化は自由度の高い構造最適化手法であり,得られる構造は複雑形状であることが多い. 金属積層造形はそのような複雑形状の作製ができる革新的な製造技術として期待されているが,材料を積層する際,積層可能な角度の制約や熱変形が生じるため,産業分野への展開は限定的である. 本研究では,製品の性能要件から金属積層造形の製造要件までを考慮した一気通貫型の高速最適設計法を構築する.具体的には,全ての要件を偏微分方程式に基づく連成問題に置き換えることにより,全ての要件を同時に満たす最適解導出法を構築する.
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研究実績の概要 |
本研究では金属積層造形における積層可能な角度の制限や残留応力・変形など,造形時に発生する課題を設計段階で考慮可能な高速最適設計法を構築した。 まず、積層角度の制限を考慮するため、幾何学的な特徴量の評価を可能にする楕円型偏微分方程式に基づいた数理モデル及び角度を制約する条件式を定式化した。この幾何学的な制約式のみでは、実際には造形できない形状が創成される問題を持つ。そこで本研究では積層造形における熱プロセスを模擬した数理モデルを定式化し、熱的な制約を加えることによって、上記の問題を回避する手法を開発した。次に、造形時に発生する変形を考慮するため、溶接プロセスの残留応力・変形解析で用いられてきた固有ひずみ法を拡張し、造形プロセスの数理モデル及び変形を制約する条件式を定式化した。そして、これらの制約をトポロジー最適化に組み込むことにより、積層角度や造形時の変形などの複数の製造性を同時に考慮可能な最適設計法を構築した。 また最適解を高速に導出するための計算量削減手法を開発した。具体的には積層造形プロセスの最終状態を表す数理モデルを定式化することで、これまで層数分行っていた感度解析に係る計算を、一度の計算に削減することに成功した。 数値実証を通して、本手法で得られた最適構造は閾値角度以下の形状が創成されることなく、造形時に発生する変形を抑制できていることを示した。本手法を用いることによって、高性能な最適形状を支持構造なしで精度良く造形することが可能になる。
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