研究課題/領域番号 |
21K03828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
内舘 道正 岩手大学, 理工学部, 教授 (30422067)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 表面性状 / フィルタ / 表面粗さ |
研究開始時の研究の概要 |
表面の微細凹凸は摩擦や摩耗,光学特性など多くの現象に影響を及ぼす.そのような微細凹凸の評価手法がISOやJISなどで規格化され,設計や製造で活用されている.新規ISO規格には一般的な技術者が理解しがたい難解な内容も含まれており,また,評価手法の妥当性が十分に検討されていないという問題もある.本研究では,表面性状の評価に用いられるフィルタ処理手法について,新規評価手法のアルゴリズムを確立し,一般の研究者やソフトウェア開発者が実装可能とする.
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き,新規国際規格に基づく表面性状評価手法の確立のため,ロバストガウシアン回帰フィルタ(Robust Gaussian Regression Filter, 以下RGRF)の実装方向について検討を行った.具体的には,繰り返し計算における処理の効率化のため,重み関数の打ち切り定数を設定するとともに,繰り返し計算における不変量を明らかにし,重み関数とともに配列に格納することで効率化をはかった.
作成した処理プログラムをPythonを用いて実装し,外れ値を含むサイン波(データ点数40,000点,10周期分)を用いて0次,1次,2次のRGRF検証した.また,比較のため,外れ値を含まない同様なサイン波での検討に加え,ロバストでないガウシアン回帰フィルタ(Gaussian Regression Filter, 以下GRF)についても実装し,計算を試行した.重み因子は,国際規格で採用されているバイスクエア型とした.検討の結果,打ち切り定数の実装と重み関数の格納によって,計算時間が72%から97%短縮された.また,結果の差異もほとんど認められなかった.繰り返し計算における不変量の格納については,9%から55%の時間短縮が確認され,結果についても問題点が見られなかった.
以上より,試行した効率化の有効性が確認され,ロバストガウシアン回帰フィルタの実装へ向けて有用な知見が得られた.しかしながら,前述の結果における計算時間は,0次のRGRFでは約10秒,1次と2次のRGRFでは約100秒であった(CPU:Intel Core i5 2.6 GHz, メモリ16GB).産業的な実装に向けては,更なる高速化が必要という課題も残した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の成果により,実装のための高速化が達成できる目処が付いた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,高速処理が可能なプログラミング言語を用いて実装を行い,三次元表面性状のためのフィルタへの拡張を目指す.
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