研究課題/領域番号 |
21K03840
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 九州大学 (2022) 東京都立大学 (2021) |
研究代表者 |
鎗光 清道 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90723205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ハイドロゲル / 階層構造 / 弾性率 / 摩擦 / 固液二相性潤滑 / 温湿度制御 / 高強度ゲル / 低摩擦 / 低摩耗 / 傾斜構造 / バイオインスパイアード / 階層性 / 異方性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ハイドロゲルの摺動面材料としての応用を目指し,その規範材料として関節 軟骨に着目し,その特異的階層性・異方性構造に焦点を当て,主に二相性潤滑機能を最大限活用可能なハイドロゲルの創製を目指す.軟骨は,関節の運動を滑らかに行うために生物が進化や個体成熟の過程において獲得した一種の最適解とみることも可能である.その高度に最適化された機能・構造は摺動面材料用ハイドロゲルを開発する上では規範となりうるものであり,本研究では軟骨の特異的階層性・異方性構造を規範としたバイオインスパイアードハイドロゲルの設計基盤を構築し,究極的には軟骨の潤滑機能を凌駕する極低摩擦・低摩耗ハイドロゲルの創製を目指す.
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研究実績の概要 |
2022年度は,階層性ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル作製の基盤技術構築および階層構造付与によるハイドロゲルの潤滑機能向上メカニズムの検討のため,階層構造ハイドロゲルの製作およびその力学・摩擦特性評価を行った. 平均重合度1700,ケン化度98.0~99.0mol%のPVAの15wt%水溶液を原料とし,60℃,80%RHの高温高湿環境下にて乾燥処理を行い作製した高弾性率PVAキャストドライゲル上に,8℃,50%RHの低温環境下で乾燥処理を行った低弾性率PVAキャストドライゲルを積層した階層構造ハイドロゲルを作製した.なお,高弾性率ゲル層の厚さを一定とした上で,低弾性率ゲル層の厚さを複数種設定したものを作製し,低弾性率層の厚さの違いが力学・摩擦特性に及ぼす影響を検討した. インデンテーション試験の結果,低弾性率層が薄いゲルほど,下地の高弾性率ゲル層による変形拘束の影響によりゲルの剛性が高まることが明らかとなった.また,球状ガラスプローブを相手とした摩擦評価により,低弾性率層が薄いほうがより低摩擦となる傾向が見られた. これらの結果により,ゲルの階層構造がその力学,摩擦特性に影響を及ぼすことが明らかとなった.これは,負荷時の低弾性率ゲル層の変形が高弾性率ゲル層に拘束されることにより剛性が向上すること,および摩擦負荷時の接触面積の低減,ゲル内部の水分流動の制限により固液二相性潤滑機能が向上することによるものであると推察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,階層性ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル作製の基盤技術構築および階層構造付与によるハイドロゲルの潤滑機能向上メカニズムの検討のため,階層構造ハイドロゲルの製作およびその力学・摩擦特性評価を行った.そして,製法の確立および階層構造付与による潤滑性能向上の可能性を示す結果が得られた.階層構造付与による潤滑機能向上メカニズムについては2023年度も引き続き検討を継続するが,設定目標はおおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,2021~2022年度に得られた知見を踏まえ,引き続き階層性・異方性構造による潤滑機能向上メカニズムの検討,およびその知見を生かした生体軟骨を規範としたバイオインスパイアード超潤滑ハイドロゲルの創成のための基盤技術,基礎学理の構築を目指す.
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