研究課題/領域番号 |
21K03845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 秋田県産業技術センター |
研究代表者 |
中村 竜太 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 主任研究員 (00634213)
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研究分担者 |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, 企画事業部, 専門員 (00373217)
大久保 義真 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 研究員 (30826532)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 電界撹拌技術 / 電界 / 撹拌 / 酵素結合免疫吸着測定法 / 抗体検査 / ELISA / 抗原抗体反応 / 酵素反応 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) における抗体検査は、国内の感染状況の推計や、感染予防の施策を実行する上で重要な検査方法であり、その一つであるELISA(酵素結合免疫吸着測定)法は抗体価を定量的に分析可能であり、検出感度が高く、多検体の処理が可能である。しかし、一般的に長時間を要し、迅速な検査には対応できない。本研究では、抗原や抗体等のタンパク質とELISA基板表面との吸着・定着・固相化メカニズムを解明、さらに「電界撹拌技術」をELISA工程に導入し、迅速かつ高感度なELISA技術を開発、COVID-19以外にも様々な感染症の抗体検査へ適応可能なシステムを構築をすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、機序が酵素反応である発色工程に電界撹拌を導入した新たなプロトコールを検討と最適な電界撹拌条件の検討を行った。 まずは、ELISA法の発色工程のIn-situ観察を行った。ITO透明電極膜付きガラスを用い、上からと横から2台のカメラで発色の様子を動画で撮影し、解析した。その結果、発色工程中に電界撹拌を行うことによって、液滴において青色発色の均一化を上部カメラによる観察で確認できた。次に、機序が酵素反応である発色工程に電界撹拌を導入した迅速ELISA実験を行った。検討した4種類のプロトコールは①全て静置、②発色工程のみ電界撹拌、③抗原抗体反応を電界撹拌、発色は静置、④全て電界撹拌の4種である。結果として、発色工程でも電界撹拌を行うことにより、発色工程の迅速化と高い発色(吸光度)を得ることが確認でき、吸光度は最大約2.6倍に向上することがわかった。 さらに、ハイスピードカメラを用いた電界撹拌挙動の観察・解析による最適印加周波数検討を行った。液量を8μL、15μL、30μLの3種類、3Hzから99Hzまで3Hzごとに観察し、撮影した画像から液面挙動速度を算出した。結果として、それぞれの液量において挙動のピークが観察された。液量が大きくなれば、最大液面挙動ピークが得られる周波数が低い方向へシフトしていることがわかった。そして、観察から得たれた液面挙動速度の上下のピークにおいて、それぞれELISA実験を行なった。結果として、液滴挙動とELISAの吸光度の相関は見られなかった。液滴の挙動と、液滴中の抗体の実際の挙動は異なっており、それぞれの分子量における最適な印加周波数があるのではないかと考えられる。ただ、いずれの撹拌挙動でも静置法と比較して吸光度は向上し、特に激しい挙動を示す撹拌状態では、吸光度が約2倍程度に向上することが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度と本年度で、主に電界撹拌技術を適応させるためのELISAプレート形状とその材質についての最適化を行うことができ、さらに電界撹拌させた時の液滴挙動観察等から、最適なELISAプロトコールを検討できたため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である令和5年度は、現状の吸光度測定に替わる簡便な色調・光質等の評価方法の開発を含めた迅速で高感度なELISAシステムを構築する計画である。
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