研究課題/領域番号 |
21K03860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
米本 幸弘 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70516418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 濡れ性 / 表面粗さ / 液滴 / 動的濡れ性 / 接触角 / 摩擦学 |
研究開始時の研究の概要 |
固体面上を移動する液体の動的濡れ挙動の評価は、主に接触線の移動速度と接触角(幾何学情報)を一対一に関係づけた半経験的取り扱いが多い。本来、接触角は液体と固体表面間の付着力、液体内の流体力、液体自身が丸くなろうとする表面張力間のバランスで決められるべきだが、接触角の値を直接用いた付着力の評価が主体である現時点では、それを可能とする手法はない。本研究では、液体と固体間の付着性を幾何形状ではなく、固体-固体間に働く摩擦力の概念に着目し、平行平板間の液滴の圧縮、引っ張りやせん断時に板に作用する力を計測することで、接触角や接触面積の変化等との関係を明らかにし、幾何学情報に依存しない濡れモデルを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、液体と固体間の付着性を幾何形状ではなく、固体-固体間に働く摩擦力の概念に着目した新たな観点に基づく濡れ性モデルの構築を試みた。平行平板間の液滴の押し込み実験を行うことで、液滴の濡れ挙動の観察を行った。その際、基板にフォースゲージセンサーを取り付けることで、液滴に作用している力の計測を行った。実験結果を基に、理論検討を行い、液滴のラプラス圧や接触線に作用する表面張力の影響が重要であることが分かった。特に、接触線の運動は、力がある値に到達するまでは静止した状態を示し、摩擦に似た挙動を観察することができ、新たな観点から濡れ性を検討する必要性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体面上液体の濡れ挙動は主に接触角により特徴づけられ、特に接触線の運動を伴うような動的濡れ性では、接触線の移動速度と接触角を関係づけた経験的な式を用いることが多いため、その用途も限定的となる。本研究から、接触線と固体面上の相互作用には摩擦現象で見られるような挙動の重要性が明らかとなった。接触線の移動速度を摩擦の概念を取り入れた力学的な観点から決定することで、動的濡れ挙動の理解のための新たな解釈が可能となるため、学術的に意義深いものと考えられる。また、得られた知見を、表面が粗い物体などに発展させることで、工業的な用途も広がるものと考えられる。
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