研究課題/領域番号 |
21K03880
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
坂村 芳孝 富山県立大学, 工学部, 教授 (00264680)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 数値流体力学 / 飛散物 / 衝撃波 / 圧縮性流れ / 6自由度運動 / 重合格子 / 解適合格子細分化法 / 動的負荷分散 / OpenFOAM / 爆発飛散物 / 重合格子法 |
研究開始時の研究の概要 |
爆発によって生じる飛散物は,同時に発生する爆風や放射熱と同様に,周囲に甚大な被害をもたらすことがある.飛散物の危険度評価には飛散物の軌跡や速度の情報が必要となるが,飛散物の運動は周囲の流れ場と強く結びついており,その予測は難しい.本研究では,飛散物の6自由度運動方程式と圧縮性流れの支配方程式とを連成させて解析することで,揚力係数や抗力係数などの経験的パラメーターを導入することなく,飛散物の軌道を予測するツールを開発する.運動する物体と流れ場との相互作用は重合格子法によって取り扱い,予測結果の妥当性は衝撃波管を用いた実験によって検証する.
|
研究実績の概要 |
本研究は,剛体の6自由度運動方程式と流体運動の支配方程式とを連成して解析することで,伝播する衝撃波によって飛散する物体の軌道を予測する,OpenFOAMベースの数値シミュレーターを開発し,爆発によって生じる飛散物の危険度評価に役立てることを目指すものである.令和5年度に実施した研究内容は以下の通りである. (1) 本研究で開発している数値シミュレーターを用い,管路内を伝播する衝撃波との干渉によって飛散する物体の運動を調べた.管路幅を変化させて行ったシミュレーション結果を比較することで,管路幅が物体の運動に及ぼす影響(閉塞効果)が明らかになった.本成果は,閉鎖された空間内における爆発飛散物の危険度評価に資するものであり,数値シミュレーションの有効性を示すものである.本成果については,韓国・大邱で開催された第34回国際衝撃波シンポジウムにおいて口頭発表し,当該分野の研究者と議論を重ねた. (2) 伝播する衝撃波を精度良く捕獲するため,解適合格子細分化法の有効性の検証を行った.移動する衝撃波面近傍の計算格子を動的に細分化することで,高い空間精度を維持しつつ,使用する計算格子数を削減することができる.しかし,領域分割にもとづく並列計算を行う場合,特定の分割領域で格子点数が増加すると,その領域の計算時間が全体の計算時間を律速することになり,並列化の効果が現れなくなってしまう.そのため,動的に領域分割を修正する動的負荷分散を行うことが必要となる.本研究では,衝撃波の非定常斜め反射現象を対象として動的負荷分散の有効性を調べた.さらに,日本機械学会北陸信越支部2024年合同講演会において本成果を報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数値シミュレーションの開発は概ね順調に進んでいるが,衝撃波管実験が遅れている.
|
今後の研究の推進方策 |
遅れている衝撃波管実験の準備を進め,数値シミュレーターの検証データを取得するとともに,これまでの成果をまとめ,学術雑誌上で発表するための準備を行う.
|