研究課題/領域番号 |
21K03882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 允 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (50648897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 流体制御 / CFD / DBDプラズマアクチュエータ / 動的翼周り流れ / 風車 / プラズマアクチュエータ / 翼周り流れ |
研究開始時の研究の概要 |
風力発電の需要増加とともに,多様な風況に順応可能な発電用風車が求められている.このような中,DBDプラズマアクチュエータ(PA)を用いた風車流れの能動的流体制御が注目されている.現在,PAを流れに垂直に配置するスパン型PA(SP-PA)と,流れに平行に配置するボルテックスジェネレータ型PA(VG-PA)を用いた流体制御に関する研究が盛んに行われている.しかし,SP-PAとVG-PAを併用したSP-PA/VG-PAによる流体制御の有効性は明らかではない.本研究では2つのPA制御技術を組み合わせることで,「風車流れにおける高効率かつロバストな流体制御」の有効性を数値解析を用いて実証する.
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研究実績の概要 |
2022年度は,実験室スケールの風車流れを模擬した動的翼周り流れを対象とし,ボルテックスジェネレータ型プラズマアクチュエータ(VG-PA)を用いた動的剥離制御のLarge-Eddy Simulation(LES)を複数の駆動条件について行い,制御効果と制御メカニズムについて検討した.ここで,動的翼は迎角が5度から25度まで時々刻々変化するピッチング翼とした.駆動条件は,VG-PAを連続的に駆動する「連続駆動」,低周波数で間欠的に駆動する「間欠駆動:低」,高周波数で間欠的に駆動する「間欠駆動:高」とした. 数値解析結果より,「間欠駆動:高」「間欠駆動:低」の各駆動方法で特に高い剥離制御効果が得られた.「間欠駆動:高」では,VG-PAを高周波数で間欠駆動することにより,剥離せん断層における乱流への遷移が促進され,ピッチアップ時の動的失速の遅延とピッチダウン時の再付着の促進が実現できた.「間欠駆動:低」では,VG-PAを低周波数で間欠駆動することにより,ピッチダウン時において2次元的な大規模渦構造が生成され,これによりピッチダウン時における揚力の増加と再付着の促進が実現できた.また,「連続駆動」では,ピッチダウン時における再付着の促進が確認できた. 本結果より,2021年度におこなった静的翼周り流れにおける剥離制御に加えて,動的翼周り流れにおいても,スパン型プラズマアクチュエータ(SP-PA)を用いた剥離制御と同様の制御効果がVG-PAを用いた制御によって得られることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,実験室スケールの風車流れを模擬した動的な翼周り流れに対してVG-PAを用いた剥離制御のLESを行い,制御効果と制御メカニズムを明らかにすることができた.特に,前年度得られた静的翼周り流れに加えて,動的翼周り流れにおいても,VG-PAの間欠駆動によってSP-PAと同様の制御効果が得られることがわかった.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,これまでに得られた知見を基に風車周り流れにおける剥離制御に関する数値解析を行い,制御効果と制御メカニズムを明らかにする予定である. 特に,VG-PAによってSP-PAと同様の剥離制御が動的翼周り流れでも可能になるという本年度得られた知見を活用し,風車翼周り流れにおける高効率でロバストな剥離制御を実現するPAの配置・駆動方法を検討する.
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