研究課題/領域番号 |
21K03899
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森上 修 九州大学, 工学研究院, 教授 (70363124)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 燃焼 / 噴霧 / 自着火 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料噴霧の自着火のモデル化の礎とすべく,粒形分布を持つ燃料液滴群の自着火を支配する因子(液滴径,液滴径分散,液滴間隔,温度,圧力,燃料性状)を抽出する.実用噴霧サイズの直径数10ミクロン程度の微小液滴の自着火特性を実験的に調査し,微小液滴の蒸発速度,冷炎・熱炎の着火遅れの雰囲気依存性を明らかにする.また,直径1mm程度の異なる大きさの粗大二液滴の自着火実験を行い,液滴間干渉に液滴径の分散が及ぼす影響を調査する.両実験を通して研鑽された数値計算を用い,目的を達成する.
|
研究成果の概要 |
燃料噴霧の高温雰囲気中の自着火の基礎研究として,①実際の噴霧を構成する液滴と同等の直径数10ミクロンオーダーの単一微小液滴,②微小液滴から直径1mmオーダーの粗大液滴で構成される二液滴,の自着火特性の実験ならびに数値解析による調査を行った.①では窒素中の蒸発実験で概ね数値計算と合う蒸発速度を得たが,空気中の燃焼実験では冷炎の自着火遅れに数値計算と隔たりがあった.②ではこれまで冷炎は液滴群の外側の高温部でのみ発生することが確認されていたが,条件によっては液滴間で発生することなどが確認された.これらが,従来の反応場の温度,濃度だけでなく,局所ダムケラ―数を支配因子に加えて数値解析により説明された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単一微小液滴について,冷炎の自着火遅れに実験と数値解析で隔たりが見られたが,特に逆火や過早着火を予測する数値解析においては,冷炎発生限界近傍における化学反応モデルの信頼性の改良が要されることが示唆される.冷炎を発生する低温酸化反応は温度依存性が高く,粗大二液滴の実験においては,従来二液滴の外側の高温部でのみ冷炎が発生することが確認されていたが,数値計算上初期液滴径を減少させると液滴間で冷炎が発生し得ることが確認された.反応場の局所的な温度,濃度の履歴が自着火の有無,場所を支配する因子として扱われてきたが,局所ダムケラ―数も支配因子として重要であることを示している.
|