研究課題/領域番号 |
21K03904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊野 智之 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80435437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ふく射熱流束計 / 熱電堆 / ふく射センサー / スパッタリング / ふく射輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
体感温度は気温のみならず、湿度や気流、ふく射など様々な要因に左右される。よって、暑さ/寒さの原因に応じた冷暖房方法の選択が重要である。エアコンは快適な室内環境を実現する上で不可欠であるが、必ずしも万能な手段とは言えない。また、感染症対策として「換気の悪い密閉空間」の回避が社会的課題であることから、常時換気しつつ利用できるふく射冷暖房への注目が高まっている。ふく射冷暖房の普及および改良に向けては、効果を精度よく評価することが必要である。本研究では、人体の正味ふく射放熱量を直接的に測定するための方法を提案し、センサーの試作を試みる。そして、実際の温熱環境におけるふく射の寄与度を調査する。
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研究実績の概要 |
昨年度の研究により、本研究課題で提案するふく射センサーを開発するためには、まず銅とコンスタンタンから成る薄板状の熱電堆を製作することが必要であり、それが従来の手法では達成できていないことが判明した。そこで、今年度はセンサー開発の核となる熱電堆の構造および製造方法について検討を行った。具体的には(1)ガラス基板上に厚み50μmの銅とコンスタンタン箔(短冊)を横並びで交互に張り合わせその隙間を銅でスパッタリングすることで接続させる、(2)レーザーにより不要な部分を除去し銅とコンスタンタンの接触面が直列につながるようにパターニングを行う、(3)表面全体にAlの蒸着面(反射面)と黒体塗料面(吸収面)が交互に形成された絶縁テープを銅-コンスタンタン接触面を交互に覆うようにして貼り付ける、(4)電極を取り付ける、といった内容である。この方法で熱電堆が製作できるかどうかを検証するため、まず25mm角のガラス基板上に一対の銅-コンスタンタン箔を貼り付け、スパッタリングを行った後に起電力を測定することを試みた。しかし、接合面を拡大して観察すると、箔を機械的に切断しない場合でも20~30μm程度の隙間があり、スパッタリングのみでは接触面を形成することが困難であることが判明した。そこで、端面同士をまずしっかりと接触させるために、箔を予め圧着させることが必要であることが判明した。このように、センサー用の熱電堆を実際に実現するための技術的な課題が浮き彫りとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も昨年度同様にコロナ禍の影響により研究体制が充分整わなかったことや半導体不足の影響もあり装置を選定して購入することができなかったこと、当初は想定していなかった技術的な課題が生じたことや研究代表者自身が本研究課題に専念して取り組むことができない状況であったことから進捗が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
兵庫県立工業技術センター、大阪大学産業科学研究所と共同研究を締結し、それらの機関の設備を積極的に利用してセンサーの試作に取り組む。熱電堆の構造や製作方法などがまだ固まっていない状況であるため、引き続き様々な方法を検討し、早急にこの問題を解決する。場合によっては、研究期間を延長することを検討する。
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