研究課題/領域番号 |
21K03915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
舩谷 俊平 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50607588)
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研究分担者 |
坂間 清子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70773539)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | LIF / 可視化計測 / ミッションオイル / 温度分布計測 |
研究開始時の研究の概要 |
(1)親油性蛍光体を用いた温度分布可視化計測システムを開発し、作動油内の温度分布の高精度・高解像度・温度計測技術を確立する。 (2)上記温度分布可視化計測システムを用いた作動油の気泡断熱圧縮現象の液相部の気泡径、界面位置(界面形状)の時間変化、温度分布、速度分布計測を行い、数値解析の妥当性を検証する。 (3)作動油の酸化劣化を抑制できる設計条件について提案する。
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研究実績の概要 |
1種類の蛍光体によるミッションオイルの任意断面の温度分布を可視化できるシステムを構築することにより、キャビテーションを原因とした、ミッションオイルの温度変化を検証する。 今年度は、蛍光体として選定したPyrromethene597が、温度依存性を示すことを検証した。また、1台のカラーカメラで撮影を行う利点としては、最終的な目的である、キャビテーションの気泡周囲温度の計測を行う際、気液境界面での数ピクセルの位相差が計測精度低下に影響を出すことが報告されており、計測精度の向上と計測工程の簡略化を図っている。オイル中の蛍光体が十分に励起され蛍光をしているという仮定において、オイル中に気泡が混入した場合やレーザー光の出力が変動した場合においても、蛍光強度比を求めることにより蛍光体自体の蛍光強度の変動に影響されず温度の算出が可能である。これにより、ミッションオイルのような温度分布が異なる流体の任意の範囲において画像解析、画像処理を行うことで温度分布の可視化が期待できる。 今年度の研究実績は以下の通りである。 (1)Pyrromethene597を混入させたミッションオイルの最大蛍光波長が温度に依存し変化することを確認した。最大蛍光波長の変化と同時に、蛍光スペクトルの分布についても変化が確認され、最大蛍光波長より長波長側における発光割合が増加した。(2)Pyrromethene597を混入させたミッションオイルにおいて、蛍光強度比(G/R)と温度との間に依存性があることが確認された。(3)温度分布の可視化については浮力噴流の可視化を行い、1種類の蛍光体の蛍光スペクトルの変化を利用し、2色LIF法を利用した温度分布の可視化を行った。温度精度については30~80[℃]の10[℃]毎において、温度分布の可視化を行い、平均して標準偏差:2.24[℃]の精度となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
温度分布の可視化計測手法として一般的な2色LIF法では、これまでに水溶性の蛍光染料(Rhodamine 6G, Rhodamine 110)あるいは微粒子状の蛍光粒子(BAM-B)しか知られておらず、油(疎水性液体)に対する計測例が無い。一方、油溶性をもつ蛍光染料であるPyrromethene597は、温度変化に対する蛍光強度変化率は低いものの、蛍光波長のピークが温度依存性を有することが知られており、2色LIF法の改良により温度分布の定量化を実現できた。この「検定レス2色LIF法」を英文誌(Sensors)へ投稿し、現在は査読中である。 また、温度分布計測計測システムに用いるカメラ・レンズ系を、研究代表者が開発した「顕微PIVシステム」に変更するとともに、作動油気泡発生装置を構築し、このシステムの撮影条件に合わせて撮影装置を改良することに取り組んでいる。気泡可視化画像の撮影速度、撮影枚数についての見通しも得られた。液相部の気泡径、界面位置(界面形状)の時間変化、温度分布、速度分布の各種統計量を各々取得する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
気泡断熱圧縮現象の数値解析条件の確立 (目標値:実験値との誤差5%以下) 気泡断熱圧縮現象の数値解析は、既報と同一条件にて行い、液相部の気泡径、界面位置(界面形状)の時間変化、温度分布、速度分布を実験結果と比較することで妥当性を検証するとともに、必要に応じて解析条件を実験に合わせ修正する。この数値解析条件をもとに、実験では評価困難な気泡内の温度分布、ラッカー部、酸化膜の形成、ホットスポット内の加熱について評価し、酸化機構の抑制機構について検討する。 最終的には、酸化機構の発生条件、抑止条件についてまとめ、英文誌に投稿することで、産業界にとって急務である、作動油の酸化劣化を抑制できる設計条件について提案することを目指す。
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