研究課題/領域番号 |
21K03916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 裕典 九州大学, 工学研究院, 助教 (70432862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 固体酸化物形電解セル / ハニカム形多孔質陰極支持体 / 水蒸気電解 / 三次元電流分布 / 三次元濃度分布 / 三次元温度分布 / 水素ガス生成 |
研究開始時の研究の概要 |
種々の供給水蒸気流量における過電圧解析・電気化学ペルチェ熱から,電流密度と熱流束の関係を有限要素法解析に取り込みつつ,ハニカムSOEC電極表面温度の多点熱電対計測と対応する三次元水素生成電流分布を得る.水素生成速度分布・水蒸気濃度分布,拡散抵抗変化を流路配置の違いに対して明確化し,最適流路配置,流路密度,強制対流型流路の設計指針を構築し,新規ハニカム流路構造を有するSOECの評価を行う.
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研究実績の概要 |
固体酸化物形電解セル(SOEC)のコンパクト化および省エネ性能,耐久性向上のため,電解セルの体積当たりの水素生成速度向上と熱機械的強度増大が期待できる,陰極支持形ハニカムSOECの三次元電流分布および温度分布の解析に必要な知見を得た.温度,ガス供給,集電,起動条件等の実験条件や数値解析に用いる基礎的パラメータを得るため,単純な構造を有する陰極支持円筒型SOECの試験を行った.このセルを管状電気炉で850℃に加熱し,マスフローコントローラーにより陰極(水蒸気+水素ガス),陽極(空気)ガス供給条件を設定して,電源装置により所定の電流を取り出して,電解特性評価を行った.陰極支持円筒型SOECは,先行して試験を行ったハニカム陰極支持体と同じ陰極材料(Ni-YSZ多孔質)とし,本研究代表者らの研究において、熱ゲル成形法によるハニカム陰極支持体の一体成形実績のあるメーカーに依頼して製作し,その表面に電解質(8YSZ),陽極(LSM)のスラリーを塗布,焼成したものである.銀ペーストおよび銀線により四端子法で集電した,加湿装置を用いて,水蒸気を反応物として水素ガスとともに陰極に供給して,電解試験を行い,表面温度分布を熱電対により多点計測したところ,電解電流に依存した温度分布の発達が確認できた.この温度分布を数値モデルに照らし合わせることで,各部における熱収支を分離しながら,電解特性をよく再現する三次元数値モデルを有限要素法により構築することができ,三次元電流分布や物質輸送分布に起因する温度分布を明確にすることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハニカムSOECの起動条件および試験条件や三次元電流分布を明確にする手法を,実測に基づいた,各部個別の熱収支や温度分布の観点から,より現実に則したモデル構築により確立できたため.
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今後の研究の推進方策 |
ハニカムSOECの種々の流路配置やガス供給条件に対して,電解特性測定と三次元数値モデル構築を行う.また,実測の電解特性に合致する有限要素法モデルを作成して,三次元電流分布,濃度分布,温度分布を明確にすることで,反応速度分布を解明し,実機の設計に展開可能な,最適流路配置,流路密度,強制対流型流路の設計指針を明確化する.
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