研究課題/領域番号 |
21K03918
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
結城 和久 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 教授 (90302182)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 沸騰伝熱 / 限界熱流束 / ポーラス体 / ブリージング / 冷却 / 電子機器 |
研究開始時の研究の概要 |
AIや5Gを代表とする高度情報社会を支えるデータセンタ、スーパーコンピュータなど、新たな社会インフラを支える電子機器の消費電力は増加の一途を辿っている。特にこれらの電子機器からの発熱密度はかつてないレベルにまで達しており、熱制御、特にそのボトルネックとなる「冷却」に関わるエネルギー消費を大幅に削減する必要がある。本研究では、沸騰浸漬冷却技術による省エネルギー社会への貢献を目的とし、申請者が世界で初めて確認した沸騰時に発生するブリージング現象(自発的な液供給・蒸気排出機能)のメカニズムを明らかにし、次いで現象を完全に制御してそのポテンシャルを最大限に引き出すことで未到の沸騰冷却技術を実証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、一方向性の気孔構造を有するロータス銅を溝付き伝熱面上に張り付け、液を沸騰させることで発現するブリージング現象を利用して液を自発的に伝熱面に供給し、飽和プール沸騰の限界熱流束を飛躍的に増大させることを目的としている。まずポーラス体と溝を含むCFDシミュレーションを実施し、溝の出口から蒸気泡が排出される際、ロータス上部および溝の反対側から液が供給されることを明らかにした。以上の知見から、溝の深さを深くして蒸気排出効果を高めたところ、約730W/cm^2の非常に高い限界熱流束を達成した。更に、絶縁性冷媒を用い、一方向溝に対し直交溝の熱伝達率が最大で1.5倍向上することも明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AIや5Gを代表とする高度情報社会を支えるデータセンタ、スーパーコンピュータ、更には環境問題や省エネルギー対策として期待されているパワー半導体など、今後、新たな社会インフラを支える電子機器の消費電力は増加の一途を辿り、その発熱密度はかつてないレベルにまで達してきている。本研究で得られた冷却性能に関する成果は、これらの機器の冷却をポンプレスで可能とすることを実証するものであり、高度情報化社会ならびに高度省エネルギー社会を構築するための基盤技術となりうるものである。
|