研究課題/領域番号 |
21K03921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
森本 久雄 東洋大学, 理工学部, 教授 (00385957)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | PCR / ナノ粒子 / 光発熱効果 |
研究開始時の研究の概要 |
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)とは,特定の DNA 断片を大量に複製する反応である.現在では特に新型コロナウィルス感染症の診断技術の一つとして良く知られており,その高効率化,高精度化,低コスト化が望まれている.本研究では,磁性カーボンナノ粒子の光発熱効果に着目し,これを利用した PCR のための高速温度サイクリング手法を開発する.また温度サイクリングの高速化が DNA 複製の正確性におよぼす効果についても検討を行う.
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研究成果の概要 |
磁性カーボンナノ粒子の光発熱効果を利用した PCR 法を開発した.本手法では,鉄のコアを炭素で被覆したナノ粒子を反応溶液中に分散させ PCR を行う.ナノ粒子表面の炭素の層は近赤外光を吸収して発熱する.本研究では,近赤外光の照射によって溶液を内部から加熱し,PCR を行うために必要な温度変化,いわゆる温度サイクリングをより高速で行うことに成功した.本手法による 3 段階 PCR では,従来法に比べて副産物が少ないことがわかった.またナノ粒子のコアは鉄であるため,磁石を用いて反応溶液から回収することができる.本研究では,回収したナノ粒子を再利用して PCR を行う事にも成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PCR は分子遺伝学,生理学,法医学などの研究において用いられ,また食品検査や医学的検査における基本技術として広く利用されている.特に現在では新型コロナウィルス感染症の診断技術の一つとして良く知られている.本研究では磁性カーボンナノ粒子の光発熱効果を利用した温度サイクリング法を開発し,これにより従来に比べより高速で PCR を行うことに成功した.また3段階 PCR では,副産物量が従来法に比べて少ないという結果が得られた.本研究成果は PCR の高効率化,高精度化に貢献するものであり,今後 PCR が用いられている上記広範な分野への応用化が期待される.
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