研究課題/領域番号 |
21K03932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
舩戸 徹郎 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40512869)
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研究分担者 |
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90252725)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | モデル予測制御 / 予期的姿勢調節 / 姿勢制御 / 小脳 / 学習 / 予測制御 / 姿勢 / 歩行 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトや動物は歩行中に将来の状態を予測して動作を生成することで、動作の切り替わりや環境の変化に柔軟に対応する。神経系の研究から、予測及び予測に使われる動作モデルの神経回路の存在が指摘されているが、これらの知見を統合して予測動作を説明するシステムモデルはこれまで提案されていなかった。本研究では、機械学習と制御理論による数理モデルの構築、ラットを用いた直立・歩行実験を通して、予測制御系の構成原理に迫る。
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研究成果の概要 |
ヒトや動物が示す、状態予測に基づく運動制御メカニズムの解明を目的として研究を行った。神経制御系がモデル予測制御に基づいて構成されるという作業仮説を立て、ヒト及びラットの予測実験と数理シミュレーションにより検証を行った。ヒト実験では、合図後に外乱を与えると予測動作がみられ、モデル予測制御によるシミュレーションでは、この予測動作と一致する振る舞いが見られた。さらに、ラットにおいて同様の予測実験を行ったところ、健常ラットで見られた予測動作が小脳障害ラットでは見られなかった。これらの結果は、モデル予測制御のような制御則が小脳を含めた神経系によって構成され、動作生成に使われていることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、予測制御メカニズムと神経系の関係を明らかにした点にある。ヒトの実験では、モデル予測制御がヒトの予測動作を説明できることが示され、小脳障害ラットの実験では、小脳の予測制御における役割が明らかになった。これにより、モデル予測制御の理論が神経制御に適用可能であることが示唆された。本研究の成果は、ヒトの動作制御の原理を人工物に応用する有効な知見となるとともに、小脳に障害を持つ患者の運動障害メカニズムに知見を与えるものである。これにより障害メカニズムに基づく効果的な診断とリハビリテーションにつながることが期待できる。
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