研究課題/領域番号 |
21K03935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 摂南大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
木村 真之 摂南大学, 理工学部, 准教授 (00551376)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非線形局在振動 / 非線形動力学 / 格子振動 / 非線形格子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,非線形格子におけるエネルギー局在現象,とくに移動型局在振動の性質解明を目指したものである。移動型局在振動は運動エネルギーを運ぶことができる。つまり,ナノ領域では熱輸送キャリアとなり得るため,新たな熱制御デバイスへ応用できる可能性がある。しかしながら,どの程度の距離を移動できるか,どの程度の時間存在できるかという点は未だ未解明である。力学的安定性はこのようなキャリアの寿命に直結した重要な性質である。本課題では,このような基礎的な性質の解明を,数値的な解析及び実験的な検証の両面からアプローチする。
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研究実績の概要 |
本研究は,移動型局在振動の存在性や安定性を準1次元および2次元の格子において検討するものである。R4年度は移動型局在振動の生成法を中心として検討を行った。 移動型局在振動は,その時空データをフーリエ変換すると,周波数-波数空間において,ある傾きを持った直線状の分布となる。このフーリエスペクトルの傾きは移動型局在振動の移動速度に対応する。一方で,直線に沿った強度分布は静止型のフーリエスペクトルとほとんど同じである。このことから,静止型局在振動をフーリエ変換した後,周波数-波数空間において所望の速度に対応した傾きになるよう変換し,さらに逆フーリエ変換することで移動型局在振動の初期値が得られると考えられる。R4年度はこのアイディアを数値シミュレーションによって検証した。まず,既知の移動型局在振動解から得られたデータをフーリエ変換し,周波数-波数空間における分布が速度やエネルギーに対してどのように変化するかを詳しく調べ,静止型局在振動のフーリエスペクトルからの変換に必要なパラメータを同定した。続いて,静止型局在振動から様々な速度をもつ移動型局在振動解の初期値を生成し,数値シミュレーションによって実際の速度や局在性の維持について検討した。その結果,既知の移動型局在振動と同等の寿命を持つことが明らかになり,本手法の有効性が示された。引き続き,準1次元格子や2次元格子,および現実系を模したモデルでの応用を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R4年度は,移動型局在振動の移動性を明らかにする目的で,移動型局在振動の生成法の検討を中心に進めた。その結果,十分な精度で移動型局在振動の初期値を推定できる手法が得られた。この手法は準1次元格子,2次元格子での局在振動にも応用可能な拡張性の高い手法。したがって,本手法を用いて移動型局在振動の安定性や存在性を詳しく調べることができるようになる見込みである。この点は,本研究の計画を作成した時点での予想を超える成果である。一方で,実験系の製作については,申請者が所属機関を異動となったことで想定よりも遅れている。引き続き,実験系の製作も進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
移動型局在振動の研究に対して,有望な数値解析手法が得られたため,本手法の多次元への拡張を進める。また,本手法によって生成された移動型局在振動の挙動を数値シミュレーションで調べることで,安定性や存在性を検討する。また,実験系を模したモデルを再度検討し,移動型局在振動が生成されやすい設計パラメータを検討する。得られた結果を基に実験系の製作を進める。
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