研究課題/領域番号 |
21K03942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
軽部 周 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70370054)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 衝突振動 / カオス転移現象 / 分岐 / バウンシングボール / 階段状カオス転移現象 / 非線形現象 / 衝突振動系 / パンタグラフ系 / カオス / 衝突系 / 階段状カオス遷移現象 / 非線形振動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,申請者らがバウンシングボール系にて発見した階段状カオス転移現象(ステップワイズ・クライシス)の発生メカニズムを理論・実験の両面から解明し,得られた知見を電車のパンタグラフ離線等の工学的問題に適用するものである.階段状カオス転移現象とは,周期振動する境界に衝突しカオス的挙動を生じている物体の最大変位が,境界の振動数の変化に伴い階段状に変化する現象である.階段状カオス転移現象は単純な衝突系で発生する普遍的な現象であるため,ガタを有する機械装置および構造物全般に潜在的に含まれているものと考えられ,本現象により発生すると考えられる異常振動や騒音の抑制など,幅広い分野での応用が期待できる.
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研究成果の概要 |
衝突系の最も簡単なモデルであるバウンシングボール系について,振動板の振幅を一定に保ちながら振動数を増加させていくと,カオス的に動くボールの最大到達高さが階段状に増加する階段状カオス転移現象(ステップワイズ・クライシス)が発生する.本研究では,ボールの滞空時間が振動板の周期のほぼ整数倍になるときにカオス転移現象が発生することを数値計算と実験により発見した.また,別の衝突系である剛体架線-パンタグラフ系について同様の実験を行った.その結果,衝突体の最大変位は階段状に変化する傾向が見られた.一方で,全てがカオス的挙動であるバウンシングボール系に対し,周期的な挙動も発生しているなどの差異もみられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
殆どの機械装置は,部品と部品の間に隙間が存在するため,衝突振動が発生しやすい.衝突振動による弊害として,例えば歯車の歯打ちによる騒音の発生,パンタグラフの離線現象などがある.本研究で対象とするバウンシングボール系は最も単純な衝突振動系であり,本系で発生する階段状カオス転移現象は他の機械系にも潜んでいる可能性が高い.階段状カオス転移現象は,一定の振幅の振動が急激に増加する現象であるため,本現象の発生メカニズムを解明することで,突発的に生じるようにみえる機械系の衝突振動を回避することが可能になると期待できる.
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