研究課題/領域番号 |
21K03953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
黒沢 良夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (60631885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 音響 / 振動 / CAE / 吸音 / 遮音 / 有限要素法 / 音響メタマテリアル / セルロースナノファイバー / 自動車 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、CO2排出削減のためハイブリッド自動車や電気自動車が増加している。これらの車の特有の騒音の低減には多くの吸遮音材が必要であり、吸音・遮音アイテムの高性能化・軽量化には、繊維の細いナノファイバーや、音響メタマテリアルが有効であると考える。これらの音響特性は解明されてない部分も多く、自動車への適用も検討が始められたばかりである。まずは個々の特性を独自な伝達マトリックス法やFEMを用いて解明・分析し、予測技術・解析手法の開発を行う。次にそれらを自動車に用いて効率的な車内音・車外音対策が行えるよう、従来技術などを活用・改良しつつ最適化検討や実験検証を行う。
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研究実績の概要 |
音響メタマテリアルに関しては、以下の通りである。 PPを高さ10mm程度のハニカム構造に加工したものの上下にフィルムを貼り、4種類のパターン(①穴なし、②上面穴、③下面穴、④両面穴)でセルの中央に穴を開けた音響メタマテリアルのテストピースを作成し、3種類の積層パターン(A:パネル+フェルト+メタマテリアル、B:パネル+メタマテリアル+フェルト、C:パネル+フェルト+メタマテリアル+フェルト)と組み合わせて、計12種類の透過損失の計測を行った。パネルとメタマテリアルで2重壁遮音構造となる積層パターン(A、C)では透過損失の性能が高くなることを確認した。①②③④の穴の影響は吸音に比べると小さかった。また、テストピースと同様のFEモデルを作成し、透過損失を計算した。計算結果はB:パネル+メタマテリアル+フェルトではおおよそ実験結果の傾向を再現できた。2重壁遮音構造の積層パターン(A、C)では周波数域により若干計算結果の方が透過損失が高くなってしまった。モデル化の工夫等行い計算精度を向上させることが今後の課題である。 上記に関して、内容をまとめて学会発表を行った。 セルロースナノファイバーに関しては、以下の通りである。 サンプルを提供いただけるメーカーを見つけ、音響計測用のサンプルを作成した。現在、様々なフェルトに様々な量のセルロースナノファイバーを吹き付けた際の吸音性能の変化を把握するため、計測用のサンプルを作成し、データ分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音響メタマテリアルに関しては、いくつかのサンプルについては遮音の実験結果とおおよそ一致し、様々な積層パターンの計測・計算結果から、今後どのような構造・形状のものが優れた音響性能を発揮できるか明確になりつつある。 セルロースナノファイバーに関しては、フェルトに吹き付けた状態のサンプルを複数作成し、吸音率計測をスタートできた。
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今後の研究の推進方策 |
音響メタマテリアルに関しては、様々な積層パターンの計測やFEモデルを作成し、どのような構造・形状のものが優れた音響性能を発揮できるか明確にしていく。 セルロースナノファイバーに関しては、様々な積層パターンによる吸音性能を計測し、計算モデル化を目指していく。
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