研究課題/領域番号 |
21K03955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
安達 和彦 中部大学, 工学部, 教授 (30243322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 有限要素解析 / 骨接合術 / インプラント / 術後予測 / 骨リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,整形外科分野での代表的な骨折治療法の一つである骨接合術の工学的支援として術後経過の短期から長期に至る予測(術後骨折の発生リスク評価を含む)を可能とするような新しい解析手法を開発することを目的とする. 具体的には,Muscular Skeletal-Finite Element(MS-FE)解析法をベースとして,骨リモデリングのモデルを組み込むことで,短期から長期を想定した骨接合術の術後予測を試みる.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,骨リモデリングをMS-FE解析に組み込むことで,大腿骨近位部の骨折治療の術後予測を実現することを目的とする。ベースとなるMS-FE解析はABAQUS上で開発してきたので,当初はABAQUSサブルーチンでの骨リモデリングの構築を試みたがABAQUSサブルーチン実行環境が整わず,代替の手法を構築するに至った。代替の手法では骨密度の経年変化の計算モデルを採用し,骨密度が低下していないと仮定した健常モデルに対して,想定する年数経過による骨密度の低下を模擬した経年モデルをオフラインで逐次作成し,ABAQUS上で経年モデルに対してMS-FE解析を実行する簡易手法となった。 2023年度は,健常モデルに対するMS-FE解析と,骨密度の経年変化の計算モデルで得た経年モデルに対するMS-FE解析を比較することで,経年予測の実現可能性を示唆する結果を得た。さらに,骨折治療を想定した治療モデルに対する経年モデルと,不顕性骨折を想定して骨折線が入った不顕性モデルに対する経年モデルが構築できたが,ABAQUS上で同経年モデルでのMS-FE解析には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は,健常モデルに対するMS-FE解析と,骨密度の経年変化の計算モデルで得た経年モデルに対するMS-FE解析を比較することで,経年予測の実現可能性を示唆する結果を得た。本研究課題での目的とする骨折治療の術後予測については,大腿骨近位部の骨折接合術を想定したインプラント刺入済みの治療モデルに対する経年モデルが構築できたもののABAQUS上で同経年モデルでのMS-FE解析には至らず,研究成果として不十分となった。一方で,大腿骨転子部不顕性骨折を想定して骨折線が入った不顕性モデルに対する経年モデル構築の見通しが得られ,研究対象の拡がりが予想された。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に構築した治療モデルの経年モデルに対してMS-FE解析を試行し,報告されている実臨床症例(公開文献情報)での骨接合術に対するフォローアップと比較することで大腿骨近位部の骨折治療の術後予測の程度を判断する。併せて,不顕性モデルの経年モデルに対してMS-FE解析を試行し,転子部不顕性骨折の骨折線進展リスク評価を試みる。これらの結果を総括し,学術論文として公表する。
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