研究課題/領域番号 |
21K03962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小野 晋太郎 福岡大学, 工学部, 准教授 (80526799)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自動運転 / 車載カメラ / ドライブレコーダ / ドライビングシミュレータ / 任意視点画像 / 車間距離推定 / 車両運動 / 運転シミュレーション / 仮想現実感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、撮影した道路走行映像を用いて、自動運転車両の走行状況、および速度や車両方向などを変化させた場合の走行状況を撮影映像の後処理により簡易的に再現する技術を開発し、それが可能であるための走行条件を明らかにする。 また、自動運転における通常時および異常時、特に手動運転への切り替え(テイクオーバー)が発生する状況を前述の技術により高い写実的再現性に基づいて模擬できるようにすることで、自動運転や遠隔監視のオペレーションにおける適切な訓練や運用の策定に役立てる。
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研究実績の概要 |
(1)自動運転模擬環境の再現性に関する検討: 昨年度までに構築した自動運転を模擬的に再現する環境を活用し、自動運転におけるテイクオーバー挙動を簡易的なCGまたは実映像により再現し、その違いを検証した。両方式では描画原理や現実感が異なることから、運転挙動の再現特性が異なると考えられるが、過去に類似の検討が行われていないためである。前方走行車両が車線変更した直後に駐車車両が現れる「カットアウトシナリオ」においてブレーキの開始タイミングを比較したが、今回の実験では有意差は見られなかった。今後、CG再現性を向上した実験、実験規模の拡大、ブレーキ踏み込み量に関するより詳細な考察などを行う予定である。 (2)実映像による走行環境の再現: 昨年度までに開発した、撮影映像を深層学習により処理することで任意視点からの見えを推測する手法の改良・評価を進めた。正面方向の表現に適した座標系の導入、シーンの小規模分割、高速サンプリングにより、480x270の出力画像を高速・高画質 (60.6fps, PSNR=29.4dB) に生成できることを確認した。並行して、背景シーン(静止)と前景(移動物体)を分離して個別に描画処理を行うことで、他車両等をより高画質に描画できることを確認した。 (3)自車の走行状況の把握: 昨年度までに開発した走行シーン中の a)死角 および b)カーブミラーを検出する手法を拡張した。a)シーンのセマンティックセグメンテーションと単眼デプス推定に基づいて死角候補箇所を動画上で強調提示するシステムを構築し、事前にその動画を見ておくことで死角からの飛び出しに対する反応時間が有意に短くなることを確認した。b)公開データ (Open Street Map, Google Street View) のみを用いてカーブミラーの設置箇所の地図を半自動的に生成する仕組みを構築し、自動運転車両の事前地図を向上できる可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R5年度においては、R4年度までの遅れ要因となっていた研究体制が整い、取得・利用の困難なデータについてはシミュレーションで対応する方針で進めたため、遅れを取り戻しつつあったが、新規に導入したドライビングシミュレータの活用方法の修得や、実在する建物形状等の公開データを取り込む部分において時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)自動運転模擬環境の再現性に関する検討については、CG再現性を向上した実験、実験規模の拡大、ブレーキ踏み込み量に関するより詳細な考察などを行う。 (2)実映像による走行環境の再現については、小規模な街路も含め、様々な道路を含めてその再現性を評価する。 (3)自車の走行状況の把握については、死角箇所に関するより効果的な注意喚起方法を検討する予定である。
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