研究課題/領域番号 |
21K03966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
川合 忠雄 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20177637)
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研究分担者 |
高井 飛鳥 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (70769843)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | デジタルツイン / リハビリ支援 / リハビリテーション / シミュレーション / 機能回復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではデジタルツインの考え方をリハビリテーションに適用することにより次のシステムを構築する。 1.作業・理学療法士が経験に基づき行っていた訓練課題の設定を蓄積したデータベースに基づいて設定する。 2.訓練の補助は支援ロボットが行い、訓練中の患者の状態を計測し、訓練が効果的に行われているかどうかをモデルから評価してより適切な訓練内容をモデルから推測し、訓練内容を逐次更新する。 3.評価した訓練の善し悪しを患者に伝え、患者のモチベーションを高めて、より大きな効果が得られるようにする。
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研究実績の概要 |
本研究ではデジタルツインの考え方をリハビリテーションに適用することにより機能回復の効果を高めることを目指している。デジタルツインとは、実世界のシステムをコンピュータ上にモデルとして再現し、実世界の情報をモデルに反映することにより、実システムの状態をモデルから推測する考え方である。推測結果を適切に実システムに反映することにより、実システムをより効率的に運用するなどの優れた効果を期待できる。 本研究では、上記を実現するための基礎的な取り組みとして、肘のリハビリテーションを対象として、(ⅰ)人体とリハビリテーションを補助する支援ロボットのコンピュータモデルを構築、(ⅱ)ロボットを設計・製作、(ⅲ)人とロボットの動きや相互に及ぼす力(インタラクション)を計測し、モデルから腕の動きや負荷を推測して、ロボットが適切な支援を行っているか評価、(ⅳ)上記の評価に基づいてより有効な支援方法を求め、ロボットを制御する研究を行う。 本年度は、(ⅰ)ロボットのコンピュータモデルの改良と(iii)ロボットの制御実験、に取り組んだ。支援ロボットのアクチュエータである空気圧人工筋のモデルパラメータをチューニングし、支援ロボットの駆動系の物理モデルを構築して目標関節トルクおよび目標角度の実現に必要な制御入力をシミュレーションした。シミュレーション結果を用いて支援ロボットを駆動し、フィードフォワード制御下での定量的評価をおこなった。また、目標トルクの実現に必要な駆動系設計パラメータの導出をおこなった。例として関節プーリ直径を導出し、得られた直径のプーリを製作して実験評価をおこなった。モデル化誤差が残るが、支援ロボットの駆動系のデジタルツインモデルを製作することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は支援ロボットを健常被験者で評価する予定であったが、ロボットのコンピュータモデルの検証に必要となるプーリの製作が予定より遅れたため、ロボット単独での制御実験を実施して年度末を向かえた。しかしこのプーリを用いた実験を行ったことで、目標関節トルクおよび目標角度の実現に必要なロボットの改修項目を特定する事ができた。次年度においてロボットのモデルパラメータの調整を行う必要があるが、ロボットの人工筋肉や関節構造などの機素をモデリングできたことで、本研究に用いるロボットのデジタルツインモデルを製作することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度特定したロボットの改修事項について設計と製作を進め、また必要機能を満たすセンサ等をロボットに搭載する。ロボットで補助した状態で若年健常被験者に動作を行ってもらい、ロボットと被験者とのインタラクションおよび動作状態の測定を目指す。また製作した腕とロボットのデジタルツインモデルにおいてもインタラクション解析を行う予定である。
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