研究課題/領域番号 |
21K03983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
清水 創太 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (20328107)
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研究分担者 |
佐藤 進 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (50005401)
河村 希典 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (90312694)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ロボティクス / 液晶広角中心窩センサ / メカトロニクス / 液晶レンズ / 注目点移動 / 広角中心窩センサ / 高速注目点移動駆動制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,屈折率可変範囲が大きいが応答速度が非常にゆっくりである厚さ60μmの液晶レンズを対象とし,電極数を増やして注目点位置の分解能を上げた多電極構造をもつ液晶レンズを試作する.さらに,注目点の高速移動のためのコンピュータによる駆動制御手法を確立して実験により動作を検証し,メカニカルな可動部をもたない高速注目点移動可能な液晶広角中心窩センサを実現する.また,性能評価を行った後,改善すべき点を明らかにする.
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研究実績の概要 |
3年目の取り組みでは,多電極を有する液晶レンズセルを対象として,前年度考案した所望の位置に所望の焦点距離のレンズ効果を発生させる駆動制御手法の検証実験を行った.視野中の5つの注目点に対応する電極を選択的に切り換える実験により上記の動作を検証した.以下に,本年度の設計・モデル化フェーズと試作・評価検証フェーズの2つの結果を示す. 設計・モデル化フェーズ:検証実験結果を踏まえて,考案した多電極液晶レンズセルの駆動制御手法及び設計した駆動回路の改良を行った.これらの改良は,液晶レンズセルにおいて,凹及び凸のレンズ効果を液晶レンズセル中の1ヶ所に限らず複数箇所同時に容易に実現することを目的として行われた. 試作・評価検証フェーズ:研究協力者である秋田大学河村希典教授の協力の下,円形電極数5の多電極構造を有する液晶レンズセルの試作を行った.また,昨年度試作した駆動回路の拡張を行った.本駆動回路は,組み込みマイコンをコントローラとした同時に6つ以上の実効電圧指令値を出力できる仕様である.これにより,PCから複数の実効電圧指令値をコントローラに与え,選択的に切り換えた可変な実効電圧値を各電極に印加して高速注目点移動を行う検証実験を実施した.また,無電極液晶レンズセルの試作に関しては予算額の都合上,本年度は見送った.駆動回路及び液晶レンズセルの試作のための電子部品及び材料を購入するために消耗品費を使用した.また,国内の研究調査のために旅費を使用した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多電極液晶レンズを用いた注目点移動に関して,駆動制御手法の改良,駆動回路の改良,選択的切り換えに基づく注目点移動の検証実験の実施と順調に進んでいる.多電極液晶レンズには円形電極数がさらに増えるにつれて技術的に試作が困難になり,駆動回路の配線もより煩雑になる.煩雑な配線なしにレンズ効果発生位置をより自由に与えることを可能にするために,現在,従来の選択的な切り換え方式を発展させた,複数円形電極に所望の実効電圧を組み合わせて印加する駆動制御手法を確立する段階に進んでいる.全体として研究はやや遅れていると自己評価している.一方,研究分担者らとの議論を通じて,液晶レンズセルの所望する任意の位置に凹及び凸のレンズ効果を発生させる無電極液晶レンズセルのための駆動回路の設計及び実装,よりシンプルな駆動制御手法の確立を進めることが出来た.ただし,無電極液晶レンズ試作にかかる費用が思いの外大きく,現在ペンディングとなっている.
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今後の研究の推進方策 |
ノンメカニカルに素早く液晶光学系の注目点を移動させるという目標に対し,多電極液晶レンズによる複数電極への実効電圧の選択的切り換えに基づく注目点移動までが検証済みである.今後は,多電極液晶レンズに注力し,従来の選択的な切り換え方式を発展させ,複数円形電極に所望の実効電圧を組み合わせて印加する駆動制御手法の確立を目指す.それにより,煩雑な配線なしにレンズ効果発生位置をより自由に与えることを実現する.また,無電極液晶レンズセルによる注目点移動に関しても,引き続き検証実験の機会を探っていきたい.
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