研究課題/領域番号 |
21K04009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
田村 滋 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (90708885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 電気自動車 / V2G / EVアグリゲータ / 確率的プログラミング / シナリオリダクション / 確率論的プログラミング / EV / アグリゲータ / 翌日計画 / 当日計画 / 計算時間 |
研究開始時の研究の概要 |
EV(Electric Vehicle)アグリゲータの計画はそのビジネスの収益を最大化する最適化問題を解くことにより得られる。EVはV2G(Vehicle-to-Grid)としての利用可能時間や利用可能量に不確実性があることから,それらの不確実性をシナリオ化し,多数のシナリオに対する確率的最適化問題として扱うのが一般的である。その問題の変数の数はシナリオ数とシナリオ長(一つのシナリオを構成する要素数)の積に比例し,変数の数が増えると膨大な計算時間を要する。 本研究では,EVアグリゲータが計画を策定する際の計算時間を,シナリオ長を減らすことにより時間短縮する新しい手法を確立することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,EVアグリゲータが電力市場に参加してビジネスを営む際のEVの不確実性を取り扱う確率的最適化問題において,その計算時間を短縮する新手法を確立することである。 2021年度の研究においては、EVアグリゲータの翌日計画および当日計画の元問題の計算時間が短く、新手法の効果の評価まで至らないことがわかり、2022年度の研究において、まず翌日計画の定式化を詳細・複雑化して実施するように修正することとした。 そこで、以下の内容を実施した。・計画単位時間を1時間から30分に変更する。それによってEVアグリゲータの収益も1時間毎から30分毎に変更する。・EVの不確実性の時間単位を変更(出発,到着の時間を1時間毎から30分毎に変更)し,シナリオ数を129シナリオから,513シナリオ(4ⅹ128+1シナリオ)に変更する。・その結果、最適化問題で求める変数の数は16,600から135,600に変更される。その513シナリオの最適化問題の計算時間を測定した。 新手法の特徴は時間軸の変数の数を減らすことによる最適化問題のサイズの縮小(最適化問題の変数の数の削減)であることから、新手法の計算時間の測定は、元問題をEVの不確実性の時間単位を1時間、シナリオ数を129シナリオとして実施した。その結果、新手法の計算時間は元問題の計算時間を約93%短縮できることがわかった。 新手法の特徴は時間軸の変数の数を減らすことによる計算時間短縮であることから、上記の翌日計画における計算時間短縮は当日計画においても同様の効果があるので、敢えて当日計画の定式化とその計算時間測定は実施しないこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は以下のようにして元問題を定式化した。(a)定式化の時間単位を1時間から30分毎に変更するために、対象日の30分毎のスポット市場価格とペナルティ価格を定数に用いた。(b)EVの走行時間を90分と仮定し、EVの出発・到着時間を30分単位で変更することによりEVの出発・到着時間の不確実性のシナリオを増やし、513シナリオとした。 新手法の定式化は以下のように実施した。(c)定式化の時間単位を1時間とし、対象日の1時間毎のスポット市場価格とペナルティ価格は30分毎の平均値とし定数に用いた。(d)1時間単位でのEVの走行時間を2時間とし、EVの出発・到着時間の不確実性のシナリオを129シナリオとした。 元問題の計算時間を測定したところ264秒、新手法では17.6秒であったので、新手法の計算時間は元問題の計算時間を約93%短縮できることがわかった。また、元問題の最適解と新手法の最適解を比較したところ、大きな差異はないことから、新手法は精度的に問題ないことがわかった。 しかし、元問題のプログラム作成において、作成したMatlabプログラムに多くの誤りがあることがわかり、変数の数が多いことから正しいプログラムに修正するのに多大な時間を要し,2022年度の研究成果の学会発表に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
元問題を従来手法であるbackward scenario reduction(全シナリオからひとつずつシナリオを削除する)手法を用い,元問題のシナリオ数を順次減少させ,その最適解と計算時間を新手法と比較,評価する。 なお、本研究提案時では、当日計画の不確実性において新手法の有効性を評価するために当日計画を翌日計画の結果を用いてシミュレーション評価する予定であったが、研究実績の概要でも述べたように、新手法の特徴は時間軸の変数の数を減らすことによる計算時間短縮であることから、翌日計画における計算時間短縮は当日計画においても同様の効果があるので、敢えて当日計画の定式化とその計算時間測定は実施しないこととする。
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