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高安定な送電能力を実現する植込み型医療機器用ワイヤレス給電システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K04015
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21010:電力工学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

梅谷 和弘  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (60749323)

研究分担者 平木 英治  岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20284268)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードワイヤレス給電 / 植込み型医療機器 / 制御回路 / 磁界共鳴型 / 磁気干渉
研究開始時の研究の概要

非接触で給電できるワイヤレス給電は,植込み型医療機器の電池交換や体外からのケーブル接続を不要にする技術である.しかし,送電器や受電器に含まれる共振回路の共振周波数が電子部品の製造ばらつきや経年劣化,複数の受電器間や送電器-受電器間の磁気干渉でばらつくため,給電電力が安定しない問題がある。そこで,本研究では共振周波数の自律的制御回路を開発することで,製造ばらつきや磁気干渉によらず安定に送電できるワイヤレス給電システムを実現する。

研究実績の概要

2023年度は,2022年度に引き続き計画のステップ2「送電器-受電器間の無線信号通信に基づく完全ワイヤレスな給電システムの開発」について研究を遂行した。2022年度では,ATAC間の通信手段として無線接続を実現するための実用的な制御回路を開発しており,2023年度では開発した制御回路を用いて完全ワイヤレスな給電システムの実験機を製作し,この給電システムが自律的に送電器や受電器の電流位相を調整することで受電器に励起される電流を最大化できることを実験的に確認することができた。この意味で,当初計画通りにステップ2で設定した技術的目標を達成することができたと言える。
しかしながら,この成果の一方で,開発した実験機では完全ワイヤレスな給電システムを実現できたものの,赤外線の通信可能距離が当初の期待ほど大きくなく,実際には数cm程度にとどまってしまうという問題があることが発覚した。すなわち,開発した実験機では,送電器-受電器間の距離が数cm以下に制限されてしまった。このような制限は,植込み型医療機器用ワイヤレス給電システムの実用化にとって深刻な問題であることから,通信可能距離を向上する技術開発が必要となった。
そこで,次年度では,実験機に対して通信可能距離を向上する改良を施したうえで,この実験機に基づいてステップ3の目標である「ISMバンド6.78MHz駆動に対応した実用的ワイヤレス給電システムの開発」に取り組む予定である。なお,通信可能距離の向上方法としては,赤外線通信に替えて,電波での通信を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度では,計画のステップ2「送電器-受電器間の無線信号通信に基づく完全ワイヤレスな給電システムの開発」を完了することを目標としている。当該年度の研究では,実際に送電器-受電器間の無線信号通信を実現し,それに基づいてワイヤレス給電システムを原理的に実現できたという点では,計画通りの進捗を得ることができた。しかしながら,無線通信可能な距離が数cmに留まってしまうという想定外の問題が発生し,次のステップ3に移行する前に解決をする必要が出てきた。このことから,研究の進捗状況をやや遅れているとした。

今後の研究の推進方策

無線通信の通信可能距離に大きな制限ができてしまった理由は,赤外線通信にあると考えたため,今後は赤外線通信の代わりに電波を用いた通信技術を開発する。具体的には,市販の300MHz帯域のASK通信モジュールの回路を改造し,6.78MHzのワイヤレス給電のための無線通信システムを構築することを考えている。ASK通信モジュールは数m程度の信号伝達距離があることから,このモジュールをベースに通信回路を開発することで,同程度の信号伝達距離が得られることを期待している。植込み医療機器ではこの距離の送電距離があれば十分であるため,この方針で開発に成功すれば,ステップ3「ISMバンド6.78MHz駆動に対応した実用的ワイヤレス給電システムの開発」に移行することができると考える。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Autonomous Resonant Frequency Tuner for a 6.78MHz Inductive Coupling Wireless Power Transfer System to Stably Maximize Repeater Current2023

    • 著者名/発表者名
      Konishi Akihiro、Umetani Kazuhiro、Ishihara Masataka、Hiraki Eiji
    • 雑誌名

      IEEJ Journal of Industry Applications

      巻: 12 号: 2 ページ: 215-227

    • DOI

      10.1541/ieejjia.22010814

    • ISSN
      2187-1094, 2187-1108
    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 非接触給電用中継共振器の共振周波数自律調整回路のためのリアクタンス補償量探索範囲を拡張する新制御方式2023

    • 著者名/発表者名
      小西晃央, 石原將貴, 梅谷和弘, 平木英治
    • 雑誌名

      パワーエレクトロニクス学会誌

      巻: 48

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 6.78MHz ワイヤレス給電システム用自動リアクタンス調整回路に おける制御信号伝搬遅延の固定時間補償の課題抽出2024

    • 著者名/発表者名
      西尾 颯真, 石原 將貴, 梅谷 和弘, 平木 英治
    • 学会等名
      電気学会半導体電力変換研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 送電器間・受電器間の相互干渉に影響されない 6.78 MHzワイヤレス給電を実現する力率制御型複数送電器2022

    • 著者名/発表者名
      石原將貴,松浦晃大,小西晃央,梅谷和弘,平木英治
    • 学会等名
      令和4年度電気学会産業応用部門大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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