研究課題/領域番号 |
21K04021
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
關谷 尚人 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80432160)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | ワイヤレス電力伝送 / 超伝導RFコイル / 高Q値 / 超伝導線材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,高周波用超伝導線材を用いてRF磁場分布が均一で2軸のRF磁場を持つ共振器結合型コイルを開発する.また,そのコイルを用いて小型コイルへのワイヤレス電力伝送に応用し,従来技術では実現できない飛躍的に高い伝送効率を実証する.
|
研究実績の概要 |
【目的】高周波で低損失を実現できる独自開発した高周波用超伝導線材を用いて同一周波数の4つのコイルから構成される共振器結合型コイルを実現することで,RF磁場の均一性が高く,2軸のRF磁場を発生できる高Q値送電コイルを開発し,それを用いてカプセル内視鏡を想定した小型受電コイルにワイヤレス電力伝送(WPT: Wireless Power Transfer)を行い従来技術では実現できない飛躍的な伝送効率の向上を目指す. 【本研究の意義】WPTの伝送効率が向上すれば,カプセル内視鏡に撮影及び撮影した画像を体外へ送信する通信機能の他に,自走機能や診断・治療機能を新たに付加できる可能性があり,体を大きく傷つけることなく診断や治療が行える革新的な低侵襲診断・治療ロボットの実現が期待される. 【2023年度実施内容】高周波用超伝導線材を用いた自己共振コイルのQ値(測定値)は約13,000であり,銅コイルの約13倍のQ値を実現したが,人体ファントムの影響によって1,300程度まで低下することが明らかになった.これはコイルの電界が広く分布し,人体ファントムの影響を受けることに起因する.そこで,コイルに電界を閉じ込めることができる超低損失コンデンサの開発を行った. 【2023年度実施結果】コンデンサの損失要因である電極,誘電体,リード線に超低損失材料を用いることで,超低損失コンデンサを実現し,人体ファントムがある場合でもコイルにコンデンサを接続した超伝導共振コイルにすることで,約9,000程度のQ値を実現した.一方,人体ファントムがある場合の銅共振コイルのQ値は約300程度であった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超伝導自己共振コイルのQ値が人体ファントムによって大幅にQ値が低下すること判明し,当初の研究計画とは異なり,Q値の低下を抑えるための超低損失コンデンサの開発を優先した.
|
今後の研究の推進方策 |
超低損失コンデンサの開発によって人体ファントムがあっても超伝導共振コイルのQ値が銅共振コイルより非常に高いことを実証した.2024年度は当初の予定通り,共振周波数が等しい4つの超伝導共振コイルから構成される共振器結合型コイルを実現し,カプセル内視鏡を想定した人体ファントム中の小型コイルへの高効率WPTの実現を目指す.
|