研究課題/領域番号 |
21K04036
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
石田 弘樹 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50413761)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ワイヤレス給電 / ロバスト性 / PT対称性 / PT対称性 / インバータ / DCDCコンバータ / 磁界共鳴方式 / 空間・時間反転対称性 / 結合モード理論 / パリティ・時間対称性 / 高ロバスト / スイッチングモードアンプ |
研究開始時の研究の概要 |
磁気共鳴方式のワイヤレス給電では、給電コイルと受電コイルの間の距離が変化すると伝送電力も変化してしまう。伝送電力は常に一定であることが望ましいため、給電コイルと受電コイルの間の距離が変化しても伝送電力が一定になるような電力制御を行う必要がある。本研究では、2017年に発表された時間・空間反転対称性の原理を利用してこの制御を行う。時間・空間反転対称性を利用することで、これまで課題であった応答性の劇的な改善が期待できる。応答性を改善することで高速で移動する給電対象へのワイヤレス給電を目指す。
|
研究実績の概要 |
最終年度においては、前年度に構築したPT対称性を応用したワイヤレス給電システムの性能向上に取り組んだ。前年度までは、PT対称性を保持したままコイルを動かすことができる距離がおおよそ4cm(磁気結合結合係数では0.08に相当)であった。目標値として2倍の8cm(磁気結合結合係数では0.04に相当)を設定した。 コイルの移動可能な範囲を広げるためには、臨界磁気結合係数(kmc)の値を小さくする必要がある。本研究では、理論解析および電磁界シミュレーション結果に基づき、kmc値を小さくするための方法として、(1)コイル形状の最適化、(2)共振回路のトポロジーの最適化、(3)受電側のDCDCコンバータによる見かけの負荷抵抗値の調整が有効であることを見出した。 研究の結果、以下の知見を得ることができた。(1)kmc値を小さくする観点において、コイルの長手方向と全長と巻線部の幅の比には最適値がある。(2)従来のS-SやS-PトポロジーよりもS-SPトポロジー(受電側の共振回路において共振用コンデンサがコイルに対して直列および並列で接続されているトポロジー)の方がkmc値を小さくできる。(3)降圧チョッパ型のDCDCコンバータの通流率Dを調整し、見かけの負荷抵抗値が大きくなるようにすることでkmc値を小さくできる。 以上の(1)-(3)の知見に基づきワイヤレス給電システムを再構築したところ、PT対称性を保持したままコイルを動かすことができる距離を7.5mmまで伸ばすことに成功した。なお、研究成果の詳細は、学術論文(H. Ishida et al., IEEJ Journal of Industry Applications 13(2) 188-197 (2024))として発表した。
|