研究課題/領域番号 |
21K04040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東北工業大学 (2022-2023) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
八巻 俊輔 東北工業大学, 工学部, 准教授 (10534076)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 方向統計学 / 信号処理 / 信号マッチング / 相関関数 / 位相限定相関関数 / 相互相関関数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「方向統計学」と「信号処理」という異なる学問の融合による高精度信号マッチング技術のための基盤技術開拓を行う.生体認証やパターン認識などの信号マッチングに広く用いられてきた手法に,位相限定相関関数を用いた手法がある.一方で,角度データを統計的に取り扱う学問として,方向統計学が近年注目を集めており,信号の位相を角度データとして捉える事により,方向統計学の概念が信号処理にも応用できることが期待される.信号処理における振幅および位相の数理を方向統計学の観点から解明し,これらをもとに位相限定相関関数の統計的性質を解明する.また,その成果をより広いクラスの一般的な相関関数について拡張する.
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研究成果の概要 |
本研究では,相関関数を用いた信号マッチング技術に関して,方向統計学の観点から相関関数のさまざまな数学的性質を明らかにした.まず,2信号間のクロスパワースペクトルを確率変数と仮定し,クロスパワースペクトルの変動に対する相関関数の統計的性質の定式化を行った.また,位相スペクトルが角度データであることを考慮した上で,方向統計学の概念に基づく相関関数の統計的解析法を新たに確立した.さらに,信号に白色ガウス雑音が重畳したときの2信号間の相関関数の変動の評価,相関フィルタ理論に基づく相関関数の性能評価,信号マッチング技術のサウンドコラージュ技術への応用などの研究に取り組んだ.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して,相関関数を用いた信号マッチング技術に関して,信号処理に方向統計学の概念を融合させた新たな方法論が確立された.さらに,信号マッチング技術の評価指標が明らかとなり,従来よりも高精度な信号マッチング技術を開発するための方針が得られた.これらの研究成果は,相関関数に限らず信号処理全般・通信技術全般においてきわめて重要な意義をもち,映像の位置ずれ補正やパターン認識,生体認証,通信技術における信号検出の高精度化,サウンドコラージュ技術における信号の類似性の評価等,さまざまな信号処理技術における振幅および位相の数理を根本的に見直すブレークスルーとなる事が期待される.
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