研究課題/領域番号 |
21K04063
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡村 康弘 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 助教 (90706996)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 2次光非線形導波路 / 数値シミュレータ / 時間反転波発生 / 位相共役光発生 / 光ファイバ通信 / 時間反転波 / 機械学習 / 低遅延 |
研究開始時の研究の概要 |
5GやBeyond 5Gと言われる無線通信ネットワークは高速伝送可能なことに加えて低遅延性をもつことによって自動運転や触覚通信など様々なアプリケーションの実現が期待されている.これらは基幹網・アクセス網などの光通信ネットワークに接続されて高速伝送を可能としているが遅延について規定されているのは無線区間のみ(5Gは1 ms未満)であり,極低遅延性を実現するには光通信システムの低遅延化が必須となる.本研究は時間反転波伝送を適用し,残留歪を機械学習に基づくディジタル信号処理により補償する極低遅延光通信システムを提案し,従来に比べ低遅延化と伝送性能向上の両立を目指すものである
|
研究実績の概要 |
本研究では,研究期間(R3~R7年度)中以下4つの項目について検討する.検討項目(1)2次光非線形導波路シミュレータ作成と2倍波光発生実験によるシミュレータ検証,検討項目(2)2次光非線形導波路を用いた時間反転波発生器の設計,検討項目(3)多中継伝送系における機械学習による光非線形歪補償とその効果の検証,検討項目(4)時間反転波伝送と機械学習を適用した波長多重中継伝送 R4年度においては検討項目(1)(3)(4)について取り組んだ. 検討項目(1)~2倍波光発生実験の実施:R3年度に仕様策定し,発注した周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)導波路(2倍波光発生用,光増幅用)それぞれについて基本特性(連続光入力時の基本波光パワー対2倍波光パワー,2倍波光変換効率)を実験的に取得し,仕様通りの性能が得られていることを確認した. 検討項目(3)~機械学習に基づくディジタル 光非線形歪補償プログラムの作成:既に発表されているアルゴリズムを参考に,機械学習による光非線形歪補償のMatlabプログラムを作成した.一例ではある,光ファイバ伝送により光QPSK信号が受けた自己位相変調(光非線形歪の一つ)を,受信部において作成したプログラムにより補償可能なことを数値シミュレーションにより確認した. 検討項目(4)~分布ラマン増幅の適用による時間反転波伝送の光非線形歪補償性能増強:従来型の時間反転波伝送では光非線形歪補償性能を最大化する手法として伝送路位置に対する信号光・時間反転波パワー(パワープロファイルと呼ぶ)を対称化する方法が提案されている.我々の扱う光周波数シフトのない時間反転波伝送においてもその効果が期待できる.そこで,パワープロファイルの対称性の要求条件を数値シミュレーションにより評価した.その結果をレーザー学会第43回年次大会にて口頭発表した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進捗している.研究計画調書における検討項目(1)が概ね完了した. R4年度は検討項目(2)に取りかかれなかった分,検討項目(3)(4)を先行して実施した.検討項目(3)については,機械学習を用いた光非線形歪補償プログラムの作成,その動作・補償効果の確認はおよそ完了している.
|
今後の研究の推進方策 |
検討課題(2)2次光非線形導波路を用いた時間反転波発生器の設計を行う.検討課題(1)で作成したシミュレータを用いて光周波数シフトのない時間反転波発生器を構成する光デバイス(光カプラの分岐比,分散性素子の位相定数差,2次光非線形導波路の端面反射など)の要求条件を数値シミュレーションにより明確化する.
|