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次世代自由視点テレビの構築原理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K04072
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21020:通信工学関連
研究機関公益財団法人名古屋産業科学研究所

研究代表者

谷本 正幸  公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (30109293)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード自由視点テレビ / FTV
研究開始時の研究の概要

自由視点テレビFTVはユーザが視点を自由に移動させて3次元シーンを見ることができる映像メディアである.3次元シーンを様々な方向から高品質な自由視点映像で鑑賞するには,広い視域を持ち写実性に優れたFTVが必要であるが,広い視域と写実性を両立させる手法はこれまで見出されていない.本研究では3次元空間の光線情報を表す光線空間が物体の形状に起因する幾何構造を持つことに着目し,光線情報から形状情報を抽出することにより,写実性と広視域性を併せ持つ革新的なFTVの構築原理を開拓する.

研究実績の概要

将来の没入メディアでは,高い写実性と水平・垂直の両方向視差を広い範囲で実現する高画質・広視域のFTVが必要となる.しかし,従来の点ベースのシーン表現では,高画質・広視域のFTVは実現できない.このため,昨年度までに面ベースのシーン表現とそれを用いた面ベースFTVの提案,光線空間の構造解析,光線空間からの面情報検出法の研究を行った.光線空間の3viewから面を検出し,面ベースの自由視点画像生成を行うことができた.この手法を用いて面ベースFTV によるFree Navigation実験を行い,360度の広い視域を実現できた.
今年度は,前年度に導いた光線空間からの面情報検出手法をさらに深く研究した.ベクトル解析により本手法が双対基底による3次元ベクトルの展開と深い関連があることを見出した.双対基底によるベクトルの展開式を用いて光線空間から面を求める解析式を導いた.3次元ベクトルの双対基底がベクトル積で与えられることを利用し,面を観測する方向と検出可能な面方向の範囲の関係が,球面三角形の3頂点と内部の関係と等しいことを明らかにした.これによって,FTVの撮影に用いるマルチカメラの中から面検出に使用する3台のカメラを選択する指針が得られた.
様々な3Dシーンについて面情報検出と面ベースの自由視点画像生成実験を行った.その結果オクルージョンのないシーンについては正しい面情報が検出できたが,オクルージョンのあるシーンについては正しい面情報が検出できなかった.これは現在の手法では3方向から面全体が見えることが条件であるためである.このため,この条件を緩和する仕組みを研究した結果,シーンをオクルージョンのない前景と前景で遮られる後景に分割し,まずオクルージョンのない前景の面を現在の手法で検出し,次にその面情報を利用して後景の面を順次検出するアイデアに到達した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光線情報と面情報を用いた自由視点画像生成が可能となり,全方位のフリーナビゲーション実験に成功した.さらに,マルチカメラの中から面検出に使用する3台のカメラを選択する指針となる関係を導くとともに,3方向から面全体が見えるという現在の面検出手法の条件を緩和できる可能性を見出したため.

今後の研究の推進方策

これまでの研究によって,オクルージョンがなく面全体が3方向から見える場合の面検出に成功した.今後は,オクルージョンがあり,面全体が1方向からは見えるが,他の2方向からは面の一部しか見えない場合の面も検出可能な手法を研究する.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Free Navigation by Surface-Based FTV2023

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Tanimoto, Hirokuni Kurokawa
    • 雑誌名

      Proc. of Electronic Imaging & Visual Arts 2023 Florence

      巻: - ページ: 46-53

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Surface Detection for Surface-Based FTV2022

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Tanimoto, Hirokuni Kurokawa
    • 雑誌名

      Proc. of Electronic Imaging & Visual Arts 2022 Florence

      巻: - ページ: 80-87

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Proposal of Surface-Based FTV2021

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Tanimoto, Hirokuni Kurokawa
    • 雑誌名

      Proc. of Electronic Imaging & Visual Arts 2021 Florence

      巻: - ページ: 40-47

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 4次元光線空間の構造と面ベースFTV2023

    • 著者名/発表者名
      谷本 正幸, 黒川 弘国
    • 学会等名
      映像情報メディア学会技術研究報告
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 大学人が進めたFTVの開発とMPEG標準化2023

    • 著者名/発表者名
      谷本 正幸
    • 学会等名
      電子情報通信学会第35回情報伝送と信号処理ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] MPEG-FTVのシーン表現と面ベースFTV2022

    • 著者名/発表者名
      谷本 正幸, 黒川 弘国
    • 学会等名
      映像情報メディア学会技術研究報告
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Surface-Based FTVの提案2021

    • 著者名/発表者名
      谷本 正幸, 黒川 弘国
    • 学会等名
      映像情報メディア学会技術研究報告
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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