研究課題/領域番号 |
21K04075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
桑原 敬司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50525574)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオセンサ / バイポーラ電気化学 / インピーダンス / 走査測定 / バイポーラ現象 / 免疫反応 |
研究開始時の研究の概要 |
生化学分析分野において,高感度検出が可能な電気化学バイオセンシングに注目が集まっている。しかし,現状の測定法は多くのコスト(時間,費用,作業者の負担)を要し,多種多様な分析が常時行われる,現場の需要には対応できていない。そこで本研究では,バイポーラ現象を利用した走査型測定による多検体連続検出を試み,免疫反応の検出を通じて,「走査」を導入することの有効性および検出性能を決める要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は,バイポーラ電極の形状や測定溶液組成などの影響および引き続き増感材を利用した検出の高感度化に取り組んだ。 さまざまな形状のバイポーラ電極を作製し,走査測定への影響を検討したところ,予想通り駆動電極の大きさや配置に強く影響された。バイポーラ電極は小さく密に配置できた方が時間当たりの測定数の増加に有利であり,本検討から,駆動電極形状を指定することで,おおよその最大測定速度を見積もることが可能となった。また,走査速度そのものはノイズの発生などに影響を与えないものの,装置のサンプリング速度の限界により,データ点数が減少し,バイポーラ電極を小さくすることで,結果として感度が低下する傾向が見られた。装置内での測定データの処理速度が問題であり,現状他の装置を用いても改善は期待できない。駆動電極とバイポーラ電極間に形成される電界の状態は周囲の溶液の組成に影響を受ける。そこで,溶液の電解質濃度を変化させたところ,電解質濃度が低いほど検出感度が増加することがわかった。また,溶液の誘電率の変化を狙い,に有機溶媒を添加したところ,インピーダンス変化が生じる周波数帯が変化したが,検出感度の向上には貢献しなかった。昨年度行った磁性粒子による増感と同様にSi粒子を使用した増感を試みた結果,IgG検出を高感度化することに成功した。また,ペルオキシダーゼ担持抗体を利用した色素分子沈着による増感も試みた結果,インピーダンスに変化を生じさせることは可能であったが,色素の安定性が低く,再現性を得ることが難しいということがわかった。3種類の色素分子を用い,電極側の修飾法についても検討したがいずれも安定性を大幅に改善するには至らなかった。この増感法は生化学分析で利用される手法でありやや手間がかかるが,汎用性は高いことから,安定性の向上を目指し,今後も継続して検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定溶液や増感法を検討することに検出感度の向上に成功した。また,電極形状を検討し,走査測定法による最大測定速度を見積もる手法を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
測定に使用する計測装置の限界が本手法測定速度を律速することがわかったことから,今後は引き続き新たな増感法を検討しつつ,駆動電極やバイポーラ電極の形状,走査法を再検討することにより,より高速な測定が可能なのかを明らかにする。
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