研究課題/領域番号 |
21K04088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
兼清 泰正 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40435748)
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研究分担者 |
青木 寛 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (00392580)
吉田 裕 北見工業大学, 工学部, 教授 (30626122)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ゲル / 刺激応答 / 分子機械 / 導電性 / スイッチ / エタノール / センサ / 計測 / 蛍光 |
研究開始時の研究の概要 |
複数のセンサから得られる情報を統合的に処理して高度の認識機能を発現するウェアラブルデバイスを実現するには、我々の身の回りに存在する多様な化学物質を、選択的かつ高感度に連続モニタリングできるセンサが不可欠である。そこで本研究では、化学情報を力学的エネルギーに変換し、光および電気シグナルとして取り出すことのできる新規センシングシステムの実現に取り組む。そのために、特定の分子に応答して形状が変化する分子刺激応答性ゲルを合成し、その機械的強度向上と異方的形状変化を実現した上で、蛍光基の導入や電気回路との複合化を行い、それらの分光学的および電気化学的応答を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
層間にアルミホイルを挟み込んだ導電性二層構造ゲルを作製することに成功した。このゲルを種々の濃度のエタノール水に浸漬したところ、エタノール濃度に応じた顕著な湾曲度変化が生じた。そこで、この導電性二層構造ゲルをスイッチとして用いた電気回路を作製し、エタノールに応答した作動状況を確認した。その結果、エタノール濃度に依存した回路のON-OFFが生じ、ランプの点灯により濃度測定ができるセンサデバイスとして機能することが明らかになった。さらに、モノマー組成の変更により二層構造ゲルのタフネスの大幅な向上を達成し、これを用いたスイッチングデバイスの耐久性向上への道筋を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
層間に金属箔を挟み込むことにより導電性二層構造ゲルを作製する手法は、従来知られていない新規の方法論であり、作製の簡便さ、モノマーや金属の種類の選択肢の多様さなど、種々の利点を有することから、その学術的意義は大きい。本研究で開発したセンサは、感染症対策として一般に広く使用されているエタノール消毒液の濃度測定に最適な応答特性を有している。また、他の化学物質や温度・光などの物理的刺激にもターゲットを拡張し得る手法である。よって、人類の福祉向上につながる新技術としての社会的意義も大きい。
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