研究課題/領域番号 |
21K04089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大坊 真洋 岩手大学, 理工学部, 教授 (20344616)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ベクトルポテンシャル / 原子磁力計 / コイル / 光ポンピング / 磁気センサー / グラジオメーター |
研究開始時の研究の概要 |
アハラノフ・ボーム効果により、その場所に磁界が無くても、電子波の位相を変化させることができるので、ベクトルポテンシャルは量子力学において重要な役割を担っている。我々はアルカリ金属原子の光ポンピングによる原子磁力計を開発してきた。今回、二重入れ子構造のベクトルポテンシャルコイルを原子磁力計に組み込み、ベクトルポテンシャルを印加したときの信号の変化を調べ、ベクトルポテンシャル計測器の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
アハラノフ・ボーム効果により、その場所に磁界が無くても、電子波の位相を変化させることができることから、ベクトルポテンシャルは量子力学において重要な役割を担っている。二重入れ子構造のベクトルポテンシャルコイルを原子磁力計に組み込み、ベクトルポテンシャルを印加したときの信号の変化を調べ、ベクトルポテンシャル計測器の実現を目指している。 我々は、均一なベクトルポテンシャルと磁場の両方を発生できるヘルムホルツ型のコイルを数値シミュレーションによって設計した。そのコイルを製作し、原子磁力計に組み込んだ。磁場またはベクトルポテンシャルを原子磁力計に印加した時の交流周波数特性を比較したところ、磁場応答が周波数の増加とともに減少するのに対し、ベクトルポテンシャル応答はその逆であった。磁場とベクトルポテンシャルは全く異なる周波数応答を示しており、ベクトルポテンシャルの実験に漏洩磁場が混入したとしても、主因にはならない。このことから、原子磁力計によって、交流のベクトルポテンシャルを磁場と区別して計測できることを初めて実証した。 さらに、ベクトルポテンシャルの高い透過性を示すために、二重半円形の超伝導ベクトルポテンシャルコイルを作成した。鉛チューブの中にベクトルポテンシャルコイルを封入し、磁束が外部に漏れないようにした。さらにベクトルポテンシャルコイルのコアに異なる透磁率の材料を使用して、コア内に発生する磁束を変化させた。二次コイルも鉛チューブの中に封入し、二次コイルのループ内に磁束が存在しないような構造のトランスを作成して、4.2 Kで1次側と2次側の結合を調べた。コアの透磁率には影響を受けず、周波数に比例する結合が観測された。このことから超伝導でも遮ることのできないベクトルポテンシャルによる結合があることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ベクトルポテンシャル計測用の原子磁力計の設計、作成が完了しており、ハードウェア的な部分は十分な性能を示している。特に、キーデバイスの一つであった、磁場とベクトルポテンシャルを幾何学的に同じ場所に、同軸で生成するためのコイルが作成できた。このコイルは、副次的な作用として懸念されるスカラーポテンシャルの影響を最小化するためにファラデーケージも備えている。 さらに、スカラーポテンシャルの影響の無い状態での電磁結合を確認するために、超伝導線を使ってベクトルポテンシャルコイルを作成し、通常の磁気結合であるファラデーの電磁誘導を排除するために、二次コイルの外側からベクトルポテンシャルを結合させる構造の超伝導トランスを作製した。この実験により、上記の原子磁力計だけでなく、超伝導線によってもベクトルポテンシャルの影響が確認された。 複数の方法でベクトルポテンシャルの発生と検出を検証しており、十分な進捗状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
現在のシステムの各種実験パラメータの最適化を行うとともに、下記の課題について検討する。 ・ガスセル内の、レーザー強度、温度、磁場の不均一性、ガスの拡散・平衡に起因する効果について、上下左右の差動検出により評価する。 ・楕円偏光の長軸と、ベクトルポテンシャルまたは磁場の軸との角度の影響について調べる。
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