研究課題/領域番号 |
21K04090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
薮上 信 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00302232)
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研究分担者 |
寺村 裕治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (10365421)
小林 伸聖 公益財団法人電磁材料研究所, その他部局等, 研究員 (70205475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 磁性ナノ粒子 / 凝集体 / 磁化率 / 抗原抗体反応 / ナノ粒子ナノ粒子 / 抗体 / 抗原 / グラニュラー / 計測工学関連 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は磁性ナノ粒子に生体高分子等を抗原抗体反応により結合・凝集させることで磁性ナノ粒子間の距離がnmのオーダーで増加し、交換エネルギー等が変化して、磁気相変化が生じることを見いだした。これを微量のウイルス、タンパク質等、生体物質の高感度検出に応用することを発案した。また本提案は磁性微粒子と生体物質との組み合わせによる新しいグラニュラー構造と位置づけられることから、基本的な材料物性(磁化曲線、透磁率、誘電率等)、スピントロニクスの発現等を解明する。
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研究実績の概要 |
液相中磁性ナノ粒子/生体物質凝集体の検出や制御を目指し磁性ナノ粒子凝集体の異方性と磁化率および共鳴損失の増大、ダンピング定数(強磁性共鳴半値幅)等を制御できた。以下に示す実験結果等により、液相の磁性ナノ粒子を疑似的に固体物理学的な異方性制御が可能であることを示した。 (1)磁性ナノ粒子あるいは磁性ナノ粒子/生体物質の凝集体を磁界により凝集させて、微小円筒形状チップを用いて形状異方性および直流磁界印加により長手方向へ見かけ上の磁気異方性を付与し、それに直角方向へ2軸目の直流磁界を印加することにより、磁化回転を用いることで凝集体の磁化率および強磁性共鳴がシフトさせることに成功した。 (2)液相中磁性ナノ粒子の異方性制御により、外部磁界によりリモートで磁化率および損失を増大させ、ダンピング定数を小さくできた。磁化率は約1.4倍増加した。 (3)磁性ナノ粒子とタンパク質、微生物を反応させて(ビオチンアビジン反応、抗原抗体反応)、凝集体を形成し、抗原量、濃度に対して、磁性ナノ粒子の共鳴周波数、磁化率が変化することを示した。生化学反応を固体物理学的アプローチにより制御・変換・評価でき、新しい抗原検出法となりうることを示した。 (4)磁化率等をさらに1桁以上大きくするためには、液相中での異方性分散要因(磁性ナノ粒子寸法、液相中粒子間距離の均質性、印加磁界の均一性等)を1~3%程度に低減することが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
凝集させることにより固体物理学的な異方性制御、損失の制御が可能であるということは当初の計画を超えて、磁性ナノ粒子の物性研究等への新たな学問分野の創成と、ハイパーサーミア、免疫反応、磁気粒子イメージング等への波及効果が大きい。
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今後の研究の推進方策 |
磁性ナノ粒子凝集体における新たな学理の創成と磁性ナノ粒子を用いた応用における磁化率、損失の大幅な増大や性能向上が見込まれることから、より大きな科研費等の競争的資金および産学連携を推進したい。
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