研究課題/領域番号 |
21K04094
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
笹岡 直人 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (80432607)
|
研究分担者 |
岡本 芳晴 鳥取大学, 農学部, 教授 (50194410)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ミリ波ドップラーレーダ / 心拍検出 / 高次統計量 / 信号処理 / 適応ノッチフィルタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に犬や猫などの小動物を対象として、ミリ波ドップラーレーダを用いる非接触心拍検出について高次統計量を利用した干渉成分に頑強な手法の開発を目的とする。ミリ波ドップラーレーダを用いる非接触心拍検出は、体表面に現れる心臓の周期的な動きを捉える手法である。しかしながら、受信信号には、呼吸成分、呼吸と心拍との相互作用による成分、周囲に存在する人や動物からの反射波による干渉成分が含まれている。そのため、心拍検出性能が著しく劣化する問題を抱えている。そこで、これらの干渉を抑えるための非接触心拍検出システムの開発を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究は、主に犬や猫などの小動物を対象として、ミリ波ドップラーレーダを用いる非接触心拍検出について高次統計量を利用した干渉成分に頑強な手法の開発を目的とする。ミリ波ドップラーレーダを用いる非接触心拍検出は、体表面に現れる心臓の周期的な動きを捉える手法である。しかしながら、受信信号には、呼吸成分、呼吸と心拍との相互作用による成分、周囲に存在する人や動物からの反射波による干渉成分が含まれている。そのため、心拍検出性能が著しく劣化する問題を抱えている。そこで、これらの干渉を抑えるための非接触心拍検出システムの開発を行う。 2022年度は、バイスペクトルを用いる非接触心拍検出について、前年度に得られた実験結果より原理の検証を実施した。その結果、心拍、呼吸、その他の干渉成分、それぞれの周波数及び位相とバイスペクトルの関係を突き止め、提案法により心拍推定精度が改善する理由が判明した。人間を対象とする実験からも本手法の有効性を確認した。 また、バイスペクトルが相互変調積成分に頑強な非接触心拍検出手法であることも理論的に説明できることが判明した。相互変調積成分の周波数は、呼吸数に対応する周波数と心拍数に対応する周波数、それぞれの整数倍の和と差により与えられるが、もともと呼吸と心臓の動きに相関が無いため,バイスペクトルを利用することにより、相互変調積成分を抑えることが可能となる。さらに呼吸高調波や雑音に強い手法として、適応ノッチフィルタを用いる手法について検討を行い、実験データより、代表的な複数の先行研究より性能が改善することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究計画は、バイスペクトルを用いる非接触心拍検出の原理検証、相互変調積成分に頑強な非接触心拍検出手法、システム検討用データ取得(動物実験)の実施であった。バイスペクトルを用いることにより呼吸高調波だけでなく相互変調積成分にも頑強であることが示された。また,呼吸高調波や雑音に強い手法についても検討を行い、シミュレーション実験よりその有効性が確認された。さらに動物実験も1年短縮して終了することができ、研究全体としておおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究計画として、研究統括およびバイスペクトルを用いる非接触心拍検出手法の開発,評価を実施する。具体的な項目は下記のとおりである。 A)バイスペクトルを用いる非接触心拍検出「システム評価」:バイスペクトルにより呼吸高調波、体動、雑音などの影響を抑圧する手法について、動物並びに人間を対象として得られるデータをもとに心拍検出システムの評価を実施する。 B)相互変調積成分に頑強な非接触心拍検出手法「システム開発評価」:相互変調積成分に頑強な非接触心拍検出手法について,バイスペクトルを用いる手法を開発並びに評価を実施する。
|