研究課題/領域番号 |
21K04102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
中村 僚兵 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (70735969)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ドローン検知 / ミリ波レーダ / MIMO / イメージング / ISAR / マイクロドップラ / 識別 / 深層学習 / CNN / 複数目標 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では可搬性が高く,低コストなドローン検知システムの実現を目指してミリ波MIMOレーダによるドローンの遠隔検知技術を確立することを目的とした研究を実施する. 高距離分解能性を有する本レーダを用いることで対象の検知のみならず,ドローン固有の特徴的な反射信号を得ることが期待でき,深層学習技術を用いて開発する識別アルゴリズムにより鳥等の他の飛翔体やドローンの各機種の高精度な識別が可能となることが予想される.また,開発する識別技術を実装したレーダシステムを試作し,ドローンの位置(座標)とその機種を画面上に追跡表示するシステムを構築する.
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研究実績の概要 |
これまでの研究により,ドローンの距離およびドップラスペクトル上で識別に有効な特徴が検知できることを確認している.今年度はドローンが飛行移動する状態での実験を行い,これまで確認したような特徴が得られるかについて検討した.また,引き続きイメージングの検討も行い,レーダ画像からペイロードを推定する方法の基礎検討も行った.関連する研究成果として学術論文1件,国際会議論文1件,国内学会発表3件の成果をあげた.具体的な検討内容を以下に示す. 1.飛行移動中の反射特性:FCM方式を用いればドローンの距離スペクトル上の特徴的な反射と同時にプロペラの回転によるマイクロドップラが検知できることを確認済みであったが,移動を伴わないホバリング中における解析であった.今年度はドローンが飛行移動する状態での反射特性を検討した.ここでは,当該マイクロドップラを推定するために,移動に伴ってプロペラの位置を逐次推定することを考えた上でドップラ解析を実施した.その結果,プロペラの位置をうまく追従できれば上述した特徴を検知できることを明らかにした. 2.レーダ画像からペイロードの推定:飛行中のドローンのプロペラ回転周波数はペイロードに応じて通常よりも高くなる.そこで,ミリ波MIMOレーダにより得られるレーダ画像から,プロペラの回転周波数を推定する方法を考案した.ペイロード重量に応じて飛行に必要なプロペラ回転周波数を事前に調査し,考案した方法による推定結果と比較することで,ペイロード重量を推定できることを明らかにした. 3.ISARによるイメージング:MIMOレーダ単体のイメージングのみでは角度分解能に限界があり,遠方になるにつれて画像が劣化する.そこで,逆合成開口(ISAR)によるドローンのイメージングを検討した.その結果,ドローンの明瞭なレーダ画像を得ることが期待できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画で予定していた検討項目に着手できていることから順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
プロペラの回転によるマイクロドップラについて,飛行移動中でもプロペラの位置をうまく追従できればマイクロドップラを検知できることを明らかにしたが,プロペラの位置を機械的に推定するところには至ってない.そこで,今年度は,ドローンの飛行移動に伴って変化するプロペラの位置を動的に追従し,安定したマイクロドップラ検知を行う方法を検討する.次に,ISARにより得られるドローンのレーダ画像に対して深層学習アルゴリズムに適用することで機種の識別を行う方法について検討する.深層学習アルゴリズムについてはR3~R4年度に検討した畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等を適用することを予定している.更に,FCM方式のミリ波MIMO レーダシステムを試作し,リアルタイム検知及び識別を行う.具体的にはドローンの位置(座標)とその機種を画面上に追跡表示するシステムの構築を目指す.
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