研究課題/領域番号 |
21K04106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 訓志 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60533643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ガウス過程回帰システム / 離散時間確率システム / 確率サンプル値制御 / 確率システム / 確率微分方程式 / 統計モデル / ガウス過程回帰 |
研究開始時の研究の概要 |
システムに存在する確率的不確かさを考慮した解析・制御法は有用であり,申請者は,確率微分方程式で表される確率システムに対する一連の手法を開発してきた.一方で,系統的なモデル構築法はこれまでのところなかった. ガウス過程回帰は,入出力データからノンパラメトリックモデルを推定できるだけでなく,モデルの統計的不確かさも表現できる利点をもつ一方,その統計的特徴を全て考慮した動的システムに対する制御器設計の枠組はなかった. 本研究では,ガウス過程回帰によるシステムの統計的特徴と同一の特徴をもつ確率システムの対応関係を導き,確率システム制御理論に基づくモデル化から解析・制御までの一貫した新たな枠組みを構築する.
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研究実績の概要 |
本研究では,以下の三点の課題に取り組んでいる. 課題① ガウス過程回帰により得られる離散時間システムと,これまで広く研究されてきた離散時間確率システムとの関連性を見出す. 課題② 確率システム制御理論に基づくガウス過程回帰で表されるシステムに対する系統的な解析・制御器設計の枠組みを構築する.さらに,ガウス過程回帰による離散時間システムに関する未踏の問題である,システムのサンプル点間における挙動の安定性も保証する制御法を構築する. 課題③ 実問題への適用により,理論と実用性を実機検証により評価する. 2022年度は,課題②に主に取り組んだ.課題②においては,システムのサンプル点間における挙動の安定性も保証する制御法構築のためのアプローチとして,サンプル値制御に着目し,これを非線形確率システムに対して拡張した確率サンプル値制御法を開発した.さらに,非線形確率サンプル値システムの安定性に関する結果として,まず非線形確率サンプル値システムに対するサンプル点間の有界性に関する性質として,確率的マルチステップ有界性という概念を新たに提案した.そして,確率的マルチステップ有界性を備える非線形確率サンプル値システムにおいて,厳密離散時間システムの確率漸近安定性から,この非線形確率サンプル値システムの確率漸近安定性が導かれることを示した.これにより,課題①で取り組んだ近似離散時間システムに基づく非線形確率サンプル値システムの安定性解析が可能となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の研究課題①~③に関して,理論基盤を担う課題①および課題②については概ね結果が得られた.2021年度および2022年度の成果によって,ガウス過程回帰により得られる離散時間システムと,オイラー・丸山法により得られる離散時間確率システムとの間の統計的な関連性が明らかになり,確率的マルチステップ有界性を備える非線形確率サンプル値システムにおいて,この厳密離散時間システムを安定化する制御則設計により,この非線形確率サンプル値システムの安定化が実現できる見通しを得ることができた. これらのことから,本研究課題の進歩についておおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,主として課題③の解決に取り組む.すでに2021年度において課題③の取り組みに向けた実験環境の整備は概ね完了しており,ガウス過程回帰システムを得るための自律移動ロボットに関する実験データの取得が可能であることから,2023年度ではまず実データからガウス過程回帰システムを構成する.つぎに,このシステムに統計的に対応する離散時間システムに対して,確率的マルチステップ有界性の条件の成立性を確認した後,サンプル点間における挙動も考慮した非線形確率サンプル値システムの安定性を達成する制御器設計へと進む予定である.
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