研究課題/領域番号 |
21K04121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 直樹 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (80637752)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 協調制御 / 分散最適化 / マルチエージェントシステム / 分散制御 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の協調制御の研究では,ネットワークの構成要素や通信ネットワーク構造,環境などが変化しない「クローズドな」状況に関するものが主流となっている.本研究では,大規模ネットワーク化システムが有する「オープンな」構造に着目し,システム全体の安定性を保証する制御入力を現時刻までに得られている入出力データからオンラインで推定する手法を制御理論,システム最適化,機械学習をまたぐ分野横断的な観点から開発する.
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研究実績の概要 |
超スマート社会の実現には、大規模ネットワーク化システムが不可欠である。本研究では、構成要素間の相互作用が動的に変化する大規模ネットワーク化システムの制御と最適化の実現を目指すものである。2023年度の研究では、エージェント間の通信制約を考慮した分散最適化について重点的に取り組んだ。特に、エージェントが送信する情報を整数値に量子化する状況下でも最適解への収束性を保証する分散アルゴリズムを開発した。提案アルゴリズムにより、従来法と比較して通信量を大幅に削減できることが理論的に確認された。さらに、ネットワーク資源を節約するために、エージェント間の過剰な通信を削減する事象駆動型の分散アルゴリズムを提案し、協調カーシェアリング制御へ応用した。提案法を用いることで、車両の偏在を解消し、柔軟な車両運用が実現できることを示した。また、分散オンラインアルゴリズムの研究にも取り組んだ。エージェント群が逐次的に開示される損失値に関する情報を交換することで、協調的に最適戦略を推定する手法を開発した。特に、時変の結合制約や通信遅延が存在するマルチエージェントシステム向けの分散アルゴリズムを提案した。さらに、エージェントの構成が動的に変化するオープンなマルチエージェントシステムにおける分散最適化についても検討を行った。提案法により、エージェントの追加や離脱が生じても安定して最適化が行えることが示された。本年度の研究成果は、ネットワーク構造やダイナミクスの時間的変化を考慮し、動的で不確かな環境にも対応できる分散協調制御法の開発に向けた重要な一歩となるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、環境がダイナミックに変動するオープンな大規模ネットワーク化システムに対する協調制御法を開発することである。この目的を達成するために、2023年度の研究では、マルチエージェントシステムの制御、分散最適化法やオンライン最適化法などに取り組んだ。特に、エージェント間の通信の量子化の影響やネットワーク資源の制約を考慮した分散最適化アルゴリズムを提案することができた。また、協調カーシェリング制御問題への分散最適化の応用などについて取り組んだ。さらに、バンディット問題をマルチエージェントシステムにより分散協調的に解くアルゴリズムの導出を行い、リグレット解析による性能評価を行った。2023年度はこれらの成果をもとにした学術論文6本が採録され、解説記事2件、国際会議2件、国内会議2件の発表を行うことができた。以上より、2023年度はほぼ予定通り遂行されたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に得られた分散最適化および協調制御に関する基礎理論の研究成果をもとにして、2024年度はネットワークのオープン性やエージェントのダイナミクスの不確かさを伴うより複雑な環境下での分散協調制御法の確立を目指す。特に、構成エージェントの入れ替わりやネットワークの結合関係が動的に変化するマルチエージェントシステムに対する最適化法や意思決定法について検討する。これらの研究を通じて、超スマート社会における大規模ネットワーク化システムの自律分散的な運用を実現するための基盤技術の構築に貢献する。
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