研究課題/領域番号 |
21K04122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊植 亮 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90362326)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 産業用ロボット / 協働ロボット / 微分包含式 / 力制御 / 位置制御 / スライディングモード制御 |
研究開始時の研究の概要 |
今日の産業用ロボットの多くは技術的にもコスト的にも成熟しているが,位置を指令されて動作するタイプ(位置指令型)であり,人間中心環境(人とロボットが協働する現場や介護・福祉現場など)には不向きである.人間中心環境への適用のためにはトルクを指令されて動作するタイプ(トルク指令型)の「スライディングモード制御」と呼ばれる制御技術群が有用であるが,位置指令型である現状の産業用ロボット装置には実装しにくい.本研究では,トルク指令型の制御技術群を改変し,産業用位置制御デバイスへの実装を前提とした「位置指令型スライディングモード制御」の実用技術群と基盤理論体系を創出する.
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研究成果の概要 |
本研究課題では,従来のスライディングモード制御を拡張した考え方にもとづき,制御ループ内で物理量に制限を設けて制御ループを安定化するための数学的な基盤が得られた.そして,この手法をロボットの力制御則の構築に適用し,無駄時間を含む商用の位置・速度指令型のロボットにおいて,安定した接触力制御を実現できた.またこれに付随して,位置指令型の天井クレーンシステムを安定化する手法や,多くの位置指令型ロボットが持つ歯車減速機付き駆動関節をモデル化する手法も新たに得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,制御ループ内で物理量に制限を設けて制御ループを安定化するための数学的な基盤が得られた.ここで得られた制御技術は,時間遅れのある位置指令型のロボティクス・メカトロニクス機器全般で安全な挙動や安全な接触力制御を実現するための基礎技術になると期待できる.特に,位置・速度・加速度・躍度に対して整合性を失わないように明示的に上限を設ける手法は,制御機器の安全性や安定性の向上に大きく寄与すると考えられる.
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